主観客観
2004年3月19日
【デフレ終焉を織り込み始めた株式市場】

 昨年5月以降、株価は回復基調をたどっているが、依然として低水準にあることに変わりはない。

  そもそも株価がここまで落ち込んだのは、バブル崩壊後の不良債権の急増とそれに伴う金融不安の蔓延が大きな要因だ。しかし、大手銀行の不良債権処理はおおよそ峠を越え、金融不安は銀行株の上昇を見るまでもなくほぼ払拭されたと言ってよい。昨年からの株価上昇は、それを反映したものと言える。

  そして、ここへきて株価はさらに上昇する気配を見せている。昨年来、どうしても抜けることができなかった1万1,100円台を4度目のチャレンジでようやく超え、新たな上昇相場に入ってきた。これまでが金融不安の後退による戻りだとすれば、3月以降の上昇は、消費の回復とデフレ終焉期待によるものと考えてよいのではないだろうか。

  リストラ主導による企業の業績回復と、デジタル家電を牽引役とした設備投資の盛り上がりで回復軌道に乗った今回の景気回復局面だが、ここへきて個人消費にも明るい兆候が見え始めている。東京地区の百貨店販売や消費態度指数は改善を示し、政府も個人消費についての基調判断を上方修正した。

  これまでの長期低迷で日本は好景気だった頃を忘れてしまっており、景気回復を示す経済統計が出されても半信半疑になるのは無理もない。デフレについても、終わっていないとの意見が大勢だ。しかし、株式市場はそんな見方をよそに、デフレとの決別を織り込み始めている気がしてならない。

(東麻布の宮)


 【FTA正式合意、今後の農業交渉に注目 】

 3月12日、日本はメキシコと自由貿易協定(FTA)の締結について正式合意に達した。これには、鉄鋼や自動車など鉱業製品のほか、牛肉や豚肉、生オレンジなど農産5品目も含まれている。

  FTA締結は、世界の貿易政策の潮流であり、日本はこれまで農業交渉が進まずに著しく乗り遅れていたわけだが、メキシコとの締結を機に今後はタイやマレーシアなどアジア各国との締結へ向けた動きが加速するものと思われる。

  こうした関税の引き下げや撤廃の動きは、農業衰退へつながるものとして、反対意見は依然として根強い。日本の自給率は、オリジナルカロリーベースで40%(2001年)と主要先進国(米122%、豪265%、仏121%、独99%、伊69%、英61%)の中では極めて低く、危機感が強まっている。

  しかし、保護政策に逆戻りするわけにはいかないのが現状だ。

  そこで地方自治体では、地産地消を合い言葉に就農体験や技術指導、郷土料理の講習会や学校給食への食材提供など、農業振興策への取り組みを強化している。そのほか、「スローフード」の提唱や「作り手の顔の見える農業」の確立など生産者と小売店が一体となった販売促進策も進められている。

  同時に、農業法人の設立や生産から物流までのコスト削減を進める動きが活発化してきた。消費者の食の安全や品質への関心の高まりによって、生産コストは上昇圧力にもさらされているが、確かな味や品質に対しては本物指向が強い今の消費者が裏切ることはない。

  自給率の低下はアメリカの戦後食料政策にある、とする見解があるが、いまさら恨み節を言っても始まらない。どのような時代でも、農業は国家の源であろう。こればかりは外国に依存しきるわけにはいかないのだ。今後の国内政策と農業交渉の行方に注目したい。

(大和)


 【回復の種火に冷や水!】

  日銀は3月16日に、3月の金融経済月報を公表、景気の現状について、個人消費の判断を「足もとではやや強めの動き」に引き上げた。

 
景気DIの改善には地政学的リスクの払底が不可欠とTDB景気動向調査2004年2月調査結果でも触れたが、日本でのテロ行為が気がかりとなってきた。アルカイダ関与がささやかれるスペイン列車爆破テロが発生、日本へのテロ懸念も再度浮上してきたためだ。

 
消費、設備投資の堅調さに国内株式市場も回復基調にあるが、日本を標的にするテロは、この回復の種火に一気に水を差す。先週から通勤駅の改札近辺で警察官らが警備する姿を目にするようになったのを見て、日本もテロ対象国なのだなと、今までなかった緊張感を感じる。

 
犯罪増やテロ対策への対応のため、警察庁は2002年度から3年間で地方警察官1万人を増員する計画を進めており、来年度からの3年間でさらに1万人増員を計画している。

 
しかし、財務省は国の財政悪化などを理由に増員幅の抑制を主張。結局、警察庁の来年度地方警察官4,500人増員要求に対し、1,350人少ない3,150人の増員で決着した。

 
最近の検挙率の低下を鑑みると、整備新幹線、第二東名などのビッグプロジェクトへの予算配分よりも緊急度を増していると思うのだが・・・。

(脱・属国)


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