主観客観
2005年1月14日

【実体の伴わない株高を見透かす景気DI】

  12月中旬以降の株高にもかかわらず、12月の景気DIは悪化した。調査中の株価上昇は調査先企業の景況感を押し上げることが多いため、景気DIは改善するものとばかり思っていた。

  しかし、フタを開けてみれば0.8ポイントの大幅悪化で、悪化幅はここ5カ月間で最大。予想を完全に裏切られる形となった。

  そもそも、このところの株高はファンダメンタルズ(経済の基礎的要因)によるものというより、株価チャートのテクニカル面によるものという意見も多い。

  というのは、外需やITの調整局面は年後半には終了するとの期待が高まっているものの、12月中旬にそれを示唆する明確な統計・データが公表されたわけではなく、むしろ調整局面を裏付ける結果が相次いでいる。

  一方、約5カ月間に渡って揉み合いを続けていた日経平均株価は12月17日に直近高値(約1万1,100円)を突破。いわゆる"三角持ち合い上離れ"となり、チャート上で強力な上昇シグナルが示現した。今回の株高は後者、つまり実体の伴わないテクニカル面によるものと言うわけだ。

  どちらによるものかについては、今後、株価が下落するか景気DIが改善するかで必然的に明らかにされることになる。しかし、12月の景気DIが改善しなかったのは、株高が実体経済の底力によるものではないことを見透かしているようでならない。

(東麻布の宮)


 【景気回復は緩やかで限定的に】

  2005年1月7日、東京大手町の日経ホールで開かれた新春景気討論会は、500人ほどの会場が満席となって立ち見も出るなど、2005年の景気に対する注目の高さがうかがえた。

  討論では、2005年の日本経済に対し楽観的、悲観的それぞれの見方があったが、2005年を占う大きなカギとしては、@IT関連の調整と再浮上の時期A緩やかな減速が予測される米・中だが、その減速はどの程度増幅して日本経済へ影響を及ぼすか、という2点が挙げられた。

  これらに対する大方の見方は以下のようなものである。

  まず、IT関連の調整に関しては、近年、シリコンサイクルに変化が見られ、調整は底が浅く短期的との観測。また、米中の減速に関しても米国の財政赤字に懸念は残るが、中国が急減速する可能性は低い、というものだ。

  これであれば、2005年の日本経済もそう問題はないと言えそうなものだが、国内の企業、個人ともに消費行動へと向かう余地が少なくなってきており、これが浮上を妨げる最大の要因となっている。企業側は、これまでの低迷を教訓に設備増強には慎重な姿勢をとっており、鉄鋼などでは需給バランスが改善する兆しは見られない。今後も売手市場が続くだろう。

  また、個人にしても定率減税の段階的廃止や年金、消費税問題など消費意欲を下押しする要因には事欠かない状況で、期待どおりの外需があっても、全体的な景気の盛り上がりは期待できそうにない。

  もう、アテネオリンピックのような消費を喚起させるビッグイベントは当分やってこない。直接的な景気刺激策が打たれない以上、やはり、今後の景気回復も緩やかで限定的なものとならざるを得ないと考えられる。

(大 和)

 【2005年は規制崩壊から新たな秩序の構築へ】

  2004年は、台風、地震、猛暑、暖冬と異常気象、災害に悩まされた年だったが、日本経済においても2004年から2005年にかけては大きな地殻変動の時期が訪れている。

 
金融業界では、2004年12月から銀行の証券仲介業務が開始され、2005年4月にはペイオフ全面解禁が待ち受けており、体力のない地銀は再編の波に呑みこまれる懸念がある。また、携帯電話業界では、ソフトバンクやイー・アクセスなどが参入を表明、NTTドコモやAU、ボーダフォンの3キャリアの牙城を崩す構えだ。

 
一方、行政側でも、2004年に話題となたヤマト運輸と日本郵政公社が独占禁止法の「不公正取引の禁止」条項に基づいた論争は記憶に新しいが、首相の鼻息は荒く、郵政民営化の流れは変わりそうにない。

 
明治以来の大改革と謳う郵政民営化は、2004年9月に閣議決定した基本方針のなかで「…・市場における経営の自由度の拡大を通じて良質で多様なサービスが安い料金で提供が可能になり、国民の利便性を最大限に向上させる。」の一説がある。

 
しかし、安い料金に関しては、明治4 年の郵便創業以来130 年間に注ぎ込まれた税金で整ったインフラを有効活用することで、その一部を返却してもらうことに過ぎず、良質で多様なサービスについても民営化するまで出来なかったことが、中身の人材も据え置きで、すぐに大きく向上するとも思えない。

 
秩序の崩壊は、大きなビジネスチャンスであり、企業は、新しい秩序下での勝ち組を目指して奔走している。 2005年は、新たな秩序が構築される年となり、その秩序が構築される過程で新しいパワーバランスが生まれ、勝ち組と負け組への2極化がより一層鮮明となりそうだ。

(脱・属国)


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