主観客観
2005年6月7日

【真の好景気とは】

  2005年5月の景気DIは43.5と3カ月連続して前月より改善したものの、改善幅は0.2ポイントとわずかで、前月と同様ほぼ横ばいにとどまった。

  しかし、これを規模別にみると、大企業は4月に前月比0.6ポイント増、5月も0.5ポイント増と、大企業の景況感は順調に改善していることが示されている。一方、中小企業は4月、5月とも改善幅は0.1ポイントに過ぎない。この結果から見えてくるのは、景気DIが停滞しているのは中小企業の景況感の回復が遅れているということだ。

  昨年秋以降続いている景気の踊り場局面は、原油高リスクや中国リスク、在庫調整の長期化といった景気にマイナスとなる要因が払拭されない一方で、堅調な企業業績がプラス要因となって景況感を下支えしている。しかし、規模間格差が拡大している実態を見る限り、その下支え役は大企業にしか機能していないようだ。

  上場企業は伸び率こそ低下するものの今期も増益を維持するもようだが、中小企業は今回併せて行った「素材価格の高騰による企業業績への影響調査」でも明らかなように、素材価格の上昇などによって業績悪化を危惧している企業が多い。これは、"値上げして好業績な大企業"と"値上げされて苦しむ中小企業"という一面を浮き彫りにしていると言える。

  2003年5月以降の今回の景気回復局面は、大企業が主導していることは間違いない。しかし、中小企業にしわ寄せさせた結果として大企業が主導できているのならば、景気回復局面は早いうちに終焉を迎えることになるだろう。国内企業の99%以上を占める中小企業の景況感が回復しなければ、景気は決して踊り場局面から脱することはできないからだ。そういう意味では、中小企業が主導する景気回復こそ、真の意味での"好景気"なのだ。

(東麻布の宮)


 【笑ってる場合か、クール・ビズ!】

  2005年6月、環境省が先導役となって夏の軽装を推奨する「COOL BIZ 〜クール・ビズ〜」が盛んに報道されるようになった。

  小泉首相が「かりゆし」姿で登場したり、細田官房長官がブルーのシャツにノーネクタイで記者会見を行うなど、政府や官公庁も積極的にアピールしているようだ。
  また、電機大手30社や大型スーパーなど民間でも、オフィスの冷房温度を28℃に設定し、ノーネクタイで上着なしとする取り組みがすでに始まっている。

  この背景にあるのは、周知のとおり地球温暖化防止であり2005年2月に発効した京都議定書である。

  しかし、いまだ具体的な温暖化ガスの削減策が決まらないなかで、1990年比でマイナス6%という達成困難な数値目標に対して、安易な排出権取引の話ばかりが先行しているような状況だ。

  TVでは、大臣が笑いながらまるでファッションショーのように軽装を披露しているが、決して笑いごとではない。ラフなスタイルは、社会人としての姿勢を疑われるような慣習がまだ根強いなかである。クール・ビズが温暖化防止へ向けて危機感を持って推進しなければならない方策のうちのひとつであることを国民全体へ認識させるには、政府のやり方はまだまだ甘いと言わざるを得ない。

  数年後、数十年後に地球温暖化が進んだ時、クール・ビズが「かりゆし」姿の小泉首相の映像とともに失敗策として取り上げられたら、それこそ笑いものである。

  今年の流行語大賞になるかもしれない、などと言っている場合ではないのだ。

  というわけで、「私も明日からクール・ビス!」といきたいところだが、そうすぐ簡単にはいきそうもない。地球温暖化防止へ向けた、政府の強い決意と指導力を求めたい。

(大 和)

 【メイド イン ジャパンの復活!】

  5月はGW効果や雇用・所得改善傾向から不動産、小売、サービスの内需関連が比較的堅調だったが、前月まで2カ月連続で改善していた『製造』が横ばいとなった。素材価格上昇の影響を受けている「繊維」、「機械」が2カ月連続悪化、「電気機械」は3カ月ぶりに悪化した。

 
「電気機械」の景況感を左右するデジカメ、DVDレコーダー、薄型テレビの新3種の神器は、製造拠点を台湾、中国を主体としたアジア方面に進出することで低価格化を実現し各商品の普及にも結びついたが、同時に国内産業の空洞化を招いた。

 
電子情報技術産業協会の「電子部品グローバル出荷統計(6月1日発表)」の2004年度下半期(2004年9月〜2005年3月)の地域別出荷金額をみると、前年比は中国が100.4%、アジアその他106.4%に対して、日本は98.9%、アメリカ96.9%、ヨーロッパ95.6%と堅調な中国、アジアその他以外は軒並みダウンしている。

 
しかし、前回の特別企画調査でも一国集中のリスクを排除する声があったように、製造拠点を中国主体から他国に移動する動きや、高技術商品の日本国内での製造に切り替える回帰の動きもある。

 
シャープは6月3日に、主力商品「AQUOS」で商用ベース最大となる65V型液晶テレビの8月1日発売を発表、製造は三重県の亀山第1工場。この動きが国内製造業ならびに関連する業界に波及し景況感が回復する声も多く、メイド・イン・ジャパンの復活が、景況感回復に弾みをつけることを願う。

(脱・属国)


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