主観客観
2005年10月7日

【内需主導の自律回復に高まる期待】

  景気DIはようやく昨年の最高値を超えた。特に夏以降の上昇は今まで回復が遅れていた金融や建設、不動産、サービスなどの内需関連業界が底上げされていることに起因しており、その結果として同じく回復が遅れていた中小企業や地方圏の回復も顕著となっている。

  昨年までの景気回復は、デジタル景気と言われて特に外需、そして大企業がその恩恵を受け、中小企業や地方圏の企業はほぼカヤの外だった。それが規模間・地域間格差を生むことにつながった。

  しかし、ここへきて内需の盛り上がり期待が高まってきたことによって、徐々にではあるが格差が縮小してきているのだ。そういう意味では、内需主導の景気回復こそ国内経済全体にとってプラスになると言える。

  近年、景気回復局面は幾度かあったが、それはすべて外需頼み。他力本願だからこそ短命に終わったと言っても過言ではない。今回、自律回復が一層鮮明になれば、しばらくは景気回復が続くだろう。

  しかし、今後、原油価格の上昇や米国の不動産バブル崩壊による経済失速といった外的リスクに加え、国内でも来年以降、消費税率引き上げ論の再燃といったマイナスが内包されており、先行き楽観ばかりはしていられない。

(東麻布の宮)


 【「ウォームビズ」の影で薄れる抜本改革】

  2005年8月、環境省から地球温暖化防止策の秋冬スタイルとして「ウォームビズ」が発表された。室内設定温度は20℃で、温室効果ガスの削減効果は「クールビズ」の約4倍と言われる。

  この「ウォームビズ」に対して、「政府の人気取り」というようなうがった見方はほとんどなく、まるでファッションショーのようであった「クールビズ」導入時のような、政財界の有名人がテレビの特番で衣裳を披露し合うお祭り騒ぎなども見られない。
  どうやら、「クールビズ」や「ウォームビズ」は「誰もが容易に取り組める環境問題への具体策」として広く認知されつつあるようだ。
  さらに、これらが環境へ好影響を及ぼすだけではなく、経済効果も抜群(「ウォームビズ」は2,000億円を超えるとの試算もある)となれば、それにメディアも飛びつき、一段の景気回復の特効薬として報道を繰り返すのも分かる。

  しかし、同時に、抜本的な地球温暖化防止策の検討が進行しているのかと言えば、そうでもない。
  温暖化ガスの排出権取引の枠組みについては、しばしば耳にすることがあるものの、この排出権取引自体、金銭的手段である以上、インセンティブとはなっても抜本的な解決策にはなり得ない。

  温室効果ガスを削減するためには、行政・産業界が足並みを揃えて構造的に排出量抑制を目指すことが不可欠である。一時の停滞・衰退を懸念して、地球そのものが駄目になってしまっては本末転倒である。

  また、温室効果ガスの削減は日本が率先して行動していくことが必要だ。アメリカやオーストラリアなど、京都議定書の重要性を認識しながらもあえて目をつむった国々に範を示さねばならない。

  これらを実行していくことによって、地球規模の環境問題解決への道筋が拓けるとともに、日本が国際舞台でイニシアティブを握っていく道に通じるものと思う。
  「京都議定書」の実効開始となる2008年までに、政府や産業界がどこまで抜本的な解決手段へと踏み込むことができるか、その動向を注目したい。

(大 和)

 【「東海」の先行き】

  10地域中トップの景況感が続く「東海」の景気DIが全地域で初めて判断の分かれ目となる50ポイントに達した。自動車関連業界の好調や新空港開設、万博開催などのイベントによって、「東海」の景況感は2004年8月から14カ月連続で全地域トップを維持しており、全国の景況感の改善に多大な貢献をしてきた。

 
その原動力の一つであった愛知万博が9月25日に閉幕した。日本では大阪万博(約6,400万人)以来、35年ぶりに開催された国際博覧会であったことや、立地面でも関東圏、関西圏からのアクセスの容易さもあり、入場者数は予想数値(1,500万人)の1.5倍近い2,200万人を超える入場者数を記録した。一方、東京ディズニーリゾートとユニバーサル・スタジオ・ジャパンの上半期の入園者数は、前期比3.1%減、同1.9%減と、少なからず万博に顧客を奪われたようだ。

 
それだけ集客力のあった万博の終了で、その反動を危惧する企業も多い。「ポスト万博に決め手がない」という声が旅行業、広告代理店などのサービス業界から寄せられている。 「東海」の先行き見通しDIは、3カ月後52.5、6カ月後51.4、1年後49.6と先にいくほど低く、今後の反動を見込んでいる企業が多かった結果がDIにも反映されている。

 
現在、JR名古屋駅前の再開発地区で建設を進める「豊田・毎日ビルディング」は、地上47階建て247メートルと東海地区で最も高い建物で名古屋の新たなランドマークとなる。この再開発地区一帯は、中部地方や日本の中心という意味で「ミッドランド スクエア」と名付けられた。このミッドランドの東海において、日本で唯一1兆円を超す経常利益を計上するトヨタグループが、今後の「東海」、また、全体の景況感を押し上げる原動力となることが望まれている。

(脱・属国)


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