主観客観
2006年2月7日

【慢心が生んだライブドアショック】

  "ライブドアショック"による景気DIへの影響を懸念していたが、結果は46.9で、前月比0.1ポイント減のほぼ横ばいだった。これまでの改善傾向に終止符が打たれた要因として最も大きかったのは原油価格の再騰であって、とりあえずは"ライブドアショック"の影響はほとんど見られなかった。

 
それにしても、M&Aで急成長していたと思われていたライブドアだが、実際に成長していたのは時価総額だだけで、コンプライアンスなどの企業基盤についてはまったく育っていなかった。

 
"急成長会社は転げ落ちるのも早い"と言われる。急成長すると経営陣に慢心が生まれ、脇が甘くなることが多いためだ。ライブドアは、まさにその格言を証明したケースと言える。堀江氏以下旧経営陣は、時価総額の急成長で"何でもあり"の慢心が生まれたのだろう。

 
ただし、この事件は慢心を追求するだけにとどまってほしくない。人が一人亡くなっているのである。証券取引法違反で何故、エイチ・エス証券の副社長だった野口氏は死ななくてはならなかったのか。ライブドア問題は一時的な株価下落だけで解決させるのではなく、巨額のマネーが動いているだけに必ず真相を追求してもらいたい。暴かれる事実によっては、これからもっと衝撃的な"ライブドアショック"が起こるかも知れない。

(東麻布の宮)


 【BSE問題で浮き彫りとなった国民軽視の政府判断】

  先月の「主観客観」で、米国産牛肉の輸入再開について述べたが、結局、輸入再開問題は消費者の審判を待つまでもなく、米国と日本政府の自滅によって国民の信頼を失う結果となった。

  米国は認識の甘さにより危険部位の混入を容易に許し、日本政府は閣議決定された事前の現地調査を実施せずに再開に踏み切ったことが明らかとなったが、はからずも、政府・行政の判断とは国民を軽視したものである、ということを私たちは再認識させられることとなった。

  それを受け、食の安全を守るべき管理体制(システム)への問題提起が報道などで見られるが、問われるべきはそのシステム以上に、システムを作る政府・行政の国民軽視の姿勢である。
  彼らの判断基準が、国民へ向いていないところに問題があるのだ。国民の利益を損なうどころか、国民にリスクを背負わせる政府・行政の思考を断じて許してはないらない。

  1月以降、道路公団・郵政・政府系金融改革に続く構造改革の目玉として、公務員改革の内容が発表され始めてはいる。
  しかし、それは単なる数合わせや経費の削減だけではなく、改革過程で「国民のため」という規範意識をどこまで徹底させ盛り込むことができるのか、が重要なのである。

  今後、米国産牛肉が再度、輸入再開となっても、消費者が振り向くことは当分ないだろう。
  政府や行政は、「国民のため」という存在目的を自ら問い直して改革につなげ、目に見える形でその責任を果たしていくことが、いま、強く求められている。

(大 和)

 【主導権争い】

  今回のTDB景気動向調査では、落ち着きつつあった原油価格(NY原油先物)が1月に入って一時1バレル=69ドル台へと最高値水準へ再騰したことで、鉄鋼や運輸、化学、パルプ・紙関連業界などで景況感が大きく悪化した。

 
アメリカは、1月末のブッシュ大統領の一般教書演説において、石油輸入量のうち24%を占める中東からの輸入量を2025年までに4分の1に減らす数値目標を打ち出し、安定確保のために調達先の多様化を図る計画だ。

 
一方、日本は?というと、資源エネルギー庁の石油統計・速報では、2005年の原油輸入量のうち、中東産原油が占める割合は前年比2.3ポイント増の90.2%で、1968年以来37年ぶりの9割超えと、リスクヘッジの遅れが指摘されてもおかしくないほどの一極集中ぶりである。ことエネルギー資源の確保に関しては、中国国境での開発でも遅れをとり、歯がゆいばかりだ。

 
アメリカは、石油調達先の多様化を打ち出した一般教書演説において、代替エネルギーの開発・シフトにも注力する方針を発表している。クリーンエネルギー技術の開発予算の増額や自動車の石油代替燃料などの開発にも国を挙げて積極的に取り組む。

 
京都議定書を主導する立場にある日本は、自動車業界では、ハイブリッド車や低公害エンジンの開発など、最先端の環境技術で世界の市場をリードしている。同批准を拒んでいるアメリカに、環境分野において主導権を握られることのないよう、政府、企業、国民と、国を挙げて取り組むことが必要だ。

(脱・属国)


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