主観客観
2006年3月7日

【量的金融緩和政策、解除に向け広がる楽観論】

  日銀による量的金融緩和政策の解除が迫っている。
 
政府内にも解除容認論が出始めており、早ければ、3月8日、9日に行われる日銀の金融政策決定会合において、緩和解除となる可能性も現実味を帯び始めてきている。

 
だが、最近の報道を見ると、量的金融緩和の解除に対してあまりに楽観的な見解が多くなっていることに驚かされる。

 
もちろん、量的緩和の解除により、正常な金融政策への振り戻しや不動産・株式などで起こっているインフレ懸念の台頭を排除することは必要だ。
 
しかし、報道で目に付く緩和解除の容認論を見ると、解除後の金利動向によっては、景気回復を実感できない多くの企業に多大な悪影響を及ぼす懸念があるということから意識的に目をそむけ、世論に対する解除容認の地ならしを行っているようにさえ感じる。

 
2006年1月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は、前年同月比+0.5%、4カ月連続でゼロ%以上となっているが、この物価上昇は原油や素材価格の高騰を主因としたものであり、輸入品価格の直接的な影響を排除したGDPデフレーター(2005年度第3四半期:−1.6%)がマイナスであることからも、需要に裏付けられた物価上昇がいまだ浸透していないことがうかがえる。

 
日銀は、量的緩和の解除後も公約どおり、一定期間はゼロ金利を維持して、景気回復基調の推移を注意深く観察する必要がある。
 
そして、都市部の大企業を中心とした景気回復が、地方や中小にも波及し、全体的な底上げが進んでいることを確認してから、金利機能の復活を図るべきである。

 
しかし、景気を底上げしようにも、政府による施策はなにも期待できない状況だ。
 
早まった金利機能の復活は、疲弊したままの地方経済に追い討ちをかけるようなものであることを、政府・日銀は十分に認識して、今後の政策判断を行っていかなければならない。

(大 和)


 【通信業界からの波及効果に期待】

  2006年2月の景気DIは46.9と横ばいとなったが、景況感の停滞は、業界・業種間で景況感格差の拡大ということが背景にある。そのなかでも今後の動向に目が離せないのが通信関連業界だ。2005年2月から2006年2月まで継続的に景気DIが50以上で推移しているのは、サービス15業種中「電気通信」、「情報サービス」、「人材派遣・紹介」の3業種のみで、全51業種でも、これに「機械製造」、「輸送用機械・器具製造」、「再生資源卸」を加えた6業種しかない。

  「通信インフラ整備の進行で企業のIT化工事が増加」(電気通信工事)、「2010年にかけて通信業界は光回線3,000万を目標にした大きな工事が期待できる」(産業用機械卸)という声にあるように、NTTは、2010年までに国内の固定電話加入者の半分にあたる3,000万世帯・事業所の通信回線網を光ファイバーに切り替えを進めている。
  総投資額は5兆円規模で、現在、通信工事業界に継続的な需要を生み出しているが、同時に、ブロードバンド化の進展で、デジタル家電、情報家電にも買い替え需要による新たな需要も期待できる。

  このほかにも、通信業界では、2006年11月の番号ポータビリティ制度に向けて、携帯各社による顧客囲い込みのための、価格競争、サービス競争を交えた販売競争が進む。
  3月6日にソフトバンクグループによるボーダフォン日本法人への買収の動きが報道されたが、移動体通信への新規参入組みであるソフトバンクが、キャリアの一角を担うことは、今後の業界勢力図にも変化が生まれる可能性がある。

  ソフトバンクグループが今後どういった戦略を打ち出すのかに焦点が集まる。FMC(固定と携帯通信の融合)サービスも広がりを見せるであろうし、昨年、世の中をにぎわした放送と通信の融合の動きも加速化しそうだ。 電話・放送・データ通信のトリプルプレイを低価格で安定的に実行できるかが、今後の生き残りの大きな要素となる。その過程では、同業界の周辺では、大きな需要が見込めそうだ。

脱・属国

 【このままで終わっていいのかライブドア問題】

  前回、「暴かれる内容によってはもっと衝撃的な"ライブドアショック"が起こるかも知れない」と指摘した。その発端になりそうだったいわゆる"堀江メール"だが、結局、民主党は「偽物だった」ことを認め、全面謝罪した。

 
永田議員や執行部の処遇問題はしばらく長引きそうだが、ライブドアの政治的なつながりへの追及は終息に向かいそうだ。

 
最初この話が出たとき、まさか民主党は裏付けをとらないで出してくるはずがないという常識的な考えのもと、個人的には信憑性は低くなかった。"火のないところに煙は立たない"ということわざも、私にとってメールへの信憑性をさらに高めた。

 
しかしその後、「シークレットの"ー"を"―"と打つ素人的なミスはしない」、「数字を全角では打たない」など、メール自体が偽造へと傾いたのは今さら説明するまでもないだろう。

 
そしてあるマスコミ関係者は言う。「政治家は現金の受け渡しにわざわざ記録に残る銀行口座を使うわけはない。昔から現金でやり取りするのが常識」と。なるほど、ウラ金の受け渡しにアタッシュケースや紙封筒などが使われているシーンを、誰もがドラマなどで見たことがあるだろう。時代劇でも、小判は饅頭の下と決まっていた。

 
もちろん、今回の件がそうだと言っているのではない。また、彼の言う"常識"の真偽も分からない。ただ、今回のメールの件は偽物ということで一件落着しても、個人的にはまだ"火のないところに・・・"のことわざが気になって仕方がないのだ。

 
私と同様、いまだ晴れない気持ちの方も多いことだろう。それだけに、情報提供者の公開をはじめ全面的な情報公開を求めたい。情報提供者の保護は大事だが、今回の影響の大きさを考えたら、提供者がまったくの責任を負わないのもどうかと思うのだが・・・。

東麻布の宮


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