主観客観
2006年5月12日

【アイフル事件と自己責任】

  近畿財務局は4月14日、消費者金融大手のアイフルに対し、強引な取り立てなどが貸金業規制法に違反するとして全店での業務停止命令を下した。

 
消費者金融は近年目覚ましい成長を遂げた業界であり、急速に市民生活に浸透してCM高感度も高かったことから、このニュースは大々的に報じられた。また、利用者が実際の取り立て状況を告白するシーンも幾度となく流された。

 
しかしその告白シーン、個人的には利用者の"自己責任"が微塵にも感じられらなかった。また、メディアは被害者に対して過保護すぎるように思えてならなかった。

 
確かに強引な取り立ては違法行為に違いないが、被害にあったのはあくまで彼が返済を滞らせたからである。被害者は顔を隠して声を変えて一方的に取り立て行為の現状を告白していたが、"借りたものを返していない"のに、強気な態度で告白するのはいささか自分勝手ではないだろうか。そして、メディア側も"借りたものを返していない"ことへの追及はほとんどなく、貸した側の違法性を報じることだけに終始していた。

 
ライブドアの上場廃止が決定された際にも、一部株主が損失の穴埋めをライブドアに求める動きがみられたが、この損失についても"自己責任"の範囲というのが個人的な意見。株式投資にリスクはつきもので、そのリスクをとったうえで値上がり益を期待するのが株式投資だからだ。

 
アイフルの事件やライブドアの事件をみる限り、最近のメディアは被害者を擁護しすぎると感じられてならない。もちろん企業側も悪いが一方的に悪者にするのではなく、返済が滞っている事実、また株式売却益を得ようとした事実にも触れながら、被害者側の責任について考えるべきではないだろうか。そのような過保護を続けていたら、自己責任を負う能力など育つはずはないだろう。

東麻布の宮


 【「いざなぎ景気」超えを声高に叫ぶ政府・日銀】

  現在の景気回復が「いざなぎ景気」を超えるとの見通しが、政府・日銀関係者やマスコミなどから盛んに聞こえるようになってきた。
  確かに、景気は回復基調を続けているが、それが全国一律の底上げとなっていないことは、TDB景気動向調査からも明らかだ。
  それを裏付けるように、「回復の実感がない」という声は全国各地から挙がっており、それは雇用や所得などとともに、格差社会の加速を象徴する問題として多くの報道機関でも取り上げられている。

  そもそも、今回の景気回復が「いざなぎ景気」を超える可能性があるという話は、今回の回復局面が2002年2月から始まっている、ということが前提となっている。
  内閣府発表の景気動向指数がその根拠とされているわけだが、2006年4月には回復期間が51カ月に達した、と言われても実感はなく、ましてや「いざなぎ景気」(57カ月)超えは確実、と言われてもどこの世界の話かと思ってしまう。

  「いざなぎ景気」超えへのアピール――。それは、政府・自治体や日銀関係者が、景気回復を実現させたという自らの実績を誇示し、同時に、金融引き締め・増税への地ならしをしているにすぎない。
  官には、ぜひとも、景気回復を実感できない全国の声に耳を傾け、官業の民間開放や必要箇所には財政出動などの景気刺激策を行って、さらなる景気の底上げ、そして本格回復に全力を注いでもらいたい。

大和

 【新会社法の不安】

  今回の景気動向調査の特別企画調査では、2006年5月施行の会社法に関する企業の意識調査で、期待される効果として「起業の増加」が44.5%でトップとなった。

 
しかし、「起業の増加」は期待されるとともに、「簡単に会社が設立できるので違法な業者が増えるのでは」、「不毛な競争激化が心配」、「倒産が増加する懸念がある」や「金融機関の審査が厳しくなる」など、直接的・間接的な悪影響を不安視する企業の声も多く寄せられた。

 
起業の増加に伴い、新規に融資する側、取引する側は、審査部門でのコストアップは避けて通れない。このほかにも、業界、地域内での競争激化は必至である。

 
起業の増加は良いことであるが、玉石混淆の玉の比率低下は免れないだろう。結果として事件や事故が多くなり、その業界自体の信用は徐々に低下する。

 
そうなれば、信用があり、また、責任追求に耐え得る体制の整った企業に取引がシフトしていくことになる。
 
結果的には大企業に有利に働きそうだという考えは、穿った見方だろうか。

脱・属国


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