主観客観
2006年8月7日

【がっぷり四つの国内経済】

  2006年7月の景気DIは46.0となり、かろうじて前月水準を維持した。原油高や金利上昇リスク、米経済の減速というマイナス要素と、好業績、堅調な設備投資というプラス要素がまさに“がっぷり四つ”の状態だ。

 
「3カ月後」の先行き見通しDIも前月比変わらずで、この足踏み状態はしばらく続きそうな雰囲気。8月に入ってからの日経平均株価も、火曜日マイナス15円、水曜日プラス23円、木曜日プラス6円、金曜日プラス28円と膠着状態だった。

 
しかし、この膠着状態がいつまでも続くはずはない。ではどちらに振れるか―――残念ながら、雲行きは怪しいと言わざるを得ない。

 
それは、マイナス要素は今後も増幅する可能性が高いのに対し、プラス要素の拡大はこれ以上期待できる状況にないからだ。「6カ月後」「1年後」の先行き見通しDIが悪化を続けているのも、その表れと言って差し支えないだろう。

 
プラス要素、つまり好業績と堅調な設備投資意欲をさらに拡大させるためには、原油価格の下落と米経済の好調持続が最低条件。だが、それらはすでにマイナス要素であり、期待をかけられる状況にないのは明らか。プラス要素を拡大できないとなると、残る手だてはマイナス要素を払拭するしかないということになる。

 原油価格の下落と米経済の好調持続は外部要因であってどうすることもできないが、金利上昇リスクは内部要因であり払拭することは可能だ。そういうなかで日銀は、果たして追加利上げを実施することができるだろうか。今回、年度内に追加利上げをした場合、6割以上の企業が景気減腰折れを予測していることが判明したが、この結果を日銀はどう考えてくれるだろうか。

東麻布の宮


 【ハイリスクな米国産牛肉の輸入再開】

 
2006年7月27日、消費者からの批判が渦巻くなかで、農水省と厚生労働省は米国産牛肉の輸入再開を正式決定した。
 これに対して、「日本消費者連盟」と「食の安全・監視市民委員会」は即日、抗議声明を発表。「輸入再開は食の安全を願う国民の声を無視」しており、また、米国が検査体制縮小を決定したことで「米国のBSE対策は改善するどころか後退している」と指弾し、輸入再開の撤回を求めた。

  現在、再開決定を受けて順次、輸入手続きが進行しており、8月7日には第1弾が上陸した。
 また、秋の中間選挙を見据えて、米国からは早くも輸入対象牛の条件緩和要請があがっている。米国のBSE検査体制は、自国内からも疑問があがるような状況だが、政府と業界団体の強い結びつきの前に政策変更を促すには至っていない。日本における輸入再開にかかわる論争は増すばかりだ。

  しかし、この論争、決着にそう多くの時間はかからないように思う。つまり、米国の圧力と日本政府の輸入再開決定に対して、次は“不買”という形で消費者の意思決定が日米両政府に突きつけられる、ということだ。
 加えて、原産地表示の対象が加工品や飲食店でのメニュー表示にまで広がっていない日本の現状を考えると、消費者の牛肉離れは米国産にとどまらない可能性が高い。それを懸念して、業界内では米国産牛肉への取り扱いに表立った対立が生じている。

 政府は、消費者が選択可能な環境を早急に整備しない限り、消費者のみならず、国内畜産業から卸売、小売、外食業者に至るまで、多大な不利益を及ぼす危険が高いことを認識すべきだ。

大和

 次期政権への期待

  2006年7月調査では、今後の金利上昇を危惧する声が多かった。
 「ゼロ金利解除で期待が高まるが、住宅ローンなどの金利負担増を考えれば、売上増加に過度な期待はできない」や「国民負担増の政策が目白押しで消費に期待できない」(食品スーパー)、「金利も上昇傾向にあり、割賦金利も上げざるを得なくなると思うので、新車の売れ行きへの悪影響が懸念される」(自動車小売)など。

 
特に、小売の現場から、金利上昇によりサイフのひもがより固くなることを懸念する声が多く寄せられた。
7月の小売業界は、天候不順から客足が鈍く、夏物商材の売れ行きに響いたことで弱気の意見が多かった。先行きについても期待よりも不安の声が多いのは、やはり今後の金利動向と原油価格の動向、また消費税率引き上げによる消費の減退懸念からだ。

 
実際に、先行き見通しDIも、3カ月後(44.7)、6カ月後(46.5)、1年後(46.7)の水準は、その他を除く9業界中『建設』と争う低水準となっており、また3指標ともに4カ月連続で悪化と、厳しい見通しが続いている。

 
テレビの買い換え需要が期待される2011年のアナログ放送からデジタル放送への切り替えなど、なかば強制的な需要発生はあるが、それも一部業種に限られたものである。

 
  小売業界からは、「自民党総裁選が近いが、政権が変わって消費者(弱者)に優しい抜本的な改革がなけければ景気回復はほど遠いと思う。」と切実な声もあがってきている。
 次期政権は、是非こうした声をくみ取って欲しい。もう痛みを伴うことは御免だ。


脱・属国


このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all rights reserved.