主観客観
2006年12月6日

【初めて「景気座談会」を開催
〜詳細は「TDB景気白書」で紹介予定〜】

 先日、情報交換先と「景気座談会」を開催し、中小企業の実態からみる2006年の景気動向と2007年景気の行方について議論を交わしました。

 
2006年の景気動向については、やはり各社とも大企業と中小・零細企業、大都市圏と地方圏で二極化が進行したことを指摘。業界別でも、自動車産業、薄型テレビ関連、鉄鋼などで好調だった半面、アパレルをはじめとした小売業界などは不調のままで、業界間格差が確実に広がったとの意見で一致した。TDBでも再三にわたって格差を指摘しており、そこまでは言わば"想定の範囲内"だった。

 
しかし、2007年景気の行方については、「格差是正には至らない」としたうえで、「景気回復は持続する」との見方が大半。先行き見通しDIをみる限り先行き不透明感が増幅しているうえ、今回の特別企画調査で2007年景気は「踊り場局面」との回答が最多だったことからみて、景気見通しにはかなりの温度差があると言わざるを得ない。

 
国内経済はすでに成熟段階に入っているため「いざなぎ景気」のような急成長は不可能でも、中国にとどまらずインドやベトナムなどの経済成長に沿って、しばらくはだらだらしながらも景気拡大が続くというのがその根拠のようだ。

 
確かにインドは今がかつての日本のような"いざなぎ景気"に沸いている状況。そして、インド経済が一服したとしても複数の国がそれに追随するとのことで、今ではBRICsのSは"すべて"とまで言われている。

 座談会は2時間以上に及び、詳細については「TDB景気白書」に掲載する予定である。先日お知らせしたとおり、いつもご回答していただいている皆様には御礼の意を込めて無料配付させていただきますので、ぜひ12月調査にもご協力のほどお願い申しあげます。

東麻布の宮


 【乖離する企業意識と政府・日銀の景気判断】

 
2006年7〜9月期のGDP(速報)は、名目・実質ともに前期比0.5%成長となった。これを受けて政府・日銀は景気回復の持続を強調。再利上げの時期についても日銀・福井総裁は「いかなる時期も排除しない」と年内も含めてタイミングを探っている状況にあることを示唆した。

 しかし、一部の大企業が牽引してきた企業業績は、下半期の伸び悩みが鮮明となっているほか、2006年7〜9月期の機械受注が前期比11.1%減と悪化。輸出向けの受注は2四半期連続の悪化とその下振れ傾向が顕著となっており、もはや設備投資への楽観的な見方はできない。

 さらに、個人消費はいまだ百貨店、スーパー、コンビニの3指標が改善に至らないなかで、GDPの約6割を占める個人消費がマイナスであったことが判明。政府も、2006年11月の月例経済報告で「消費に弱さがみられる」と個人消費に対する判断を引き下げざるを得ない状況となった。

 現状、景気後退を決定づけるような材料はないものの、2006年末、これまで回復の持続要因として挙げられてきた企業業績や設備投資、個人消費にはプラス効果の剥落を示す内容が目立ってきたのは事実だ。
もしも、これに税制改正や金融政策、社会保障関連の失策が重なれば、景気後退の引き金となる。

 先月のTDB景気動向調査では、「いざなぎ超え」の実感を得られない要因として「企業業績が改善していない」との回答が最も多かったことからも、景気底上げが不十分な状態であることに間違いはない。
しかし、企業の平均賃金が依然として伸び悩んでいることについて、福井総裁は「中高年の退職と若年雇用者の拡大」をその理由として指摘しはじめ、「好調な企業業績がいずれ家計に波及する」との発言を執拗に繰り返している。

 年末商戦は過去3年でもっとも厳しい、との声が聞かれはじめている。政府・日銀が景気を下押しするような判断を下すことだけは許されない。

大和



 2007年も天候に左右される消費

  11月の景気動向調査では、依然、個人消費の回復の遅れによる内需関連業界のDI低迷が、全体の景況感に影響する結果となった。個人消費の低迷の一旦には暖冬の影響もある。

  暦の上では、寒の入りを迎え朝晩は肌寒さを感じるようになったとはいえ、やはり暖冬に変わりはなく、気温に影響を受けているという回答を多くいただいた。

 
「昨年と比べ、暖冬傾向が強く、防寒手袋の先行きが良くない(手袋製造)」、「順調な秋季天候により野菜が豊作気味で、単価安、野菜に引きずられて、不作ぎみの果実も単価が上らない(野菜卸)」との声もある。現在も大根、白菜は、例年の2〜3割安で店頭に並んでおり、農業、飲食料品、繊維関連の業界は天候に振り回されている。

 
ここ1年、天候不順に消費は振り回された。
昨年の冬は、豪雪に見舞われ、経済活動の停滞でマイナス面が大きかった『北海道』、『東北』、『北陸』の3地域で景況感が低迷した。

  「春」は4月、5月が低温多雨による日照不足で、春物や行楽の出足が鈍り、「夏」は梅雨明けの遅れで、季節商品の動きが鈍かった。「秋」も平均気温が全国的に高かったことで、秋冬モノへのシフトが進まず、天候に左右される結果となった。

 さて来年こそは、季節どおりの気候となるかが心配なところ。調査期間中の11月22日に気象庁が発表した12月〜2月の3カ月予報では、平年より気温が「低い、平年並み、高い」の構成比は、北海道と東北が「20%、40%、40%」、それ以外の8地域はすべて「20%、30%、50%」。全国どの地域も、引き続き暖冬のもよう。
年明けからもまた、バーゲンの時期や、春物商材の投入タイミングで関連業界は頭を悩まされそうだ。

脱・属国


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