主観客観
2007年5月8日

【先送りされている円高誘導】

  世界同時株安と円高ドル安が急速に進んだのが2月末。その後、世界的に株価が戻るとともに為替も落ち着きを取り戻し、4月13日の7カ国(G7)財務省・中央銀行総裁会議で為替に関して言及されなかったことが「円安容認」と受け止められたこともあって、円相場は世界同時株安前の水準に戻った。

 
しかし、膨らみ続ける米国の巨額な赤字解消のために、4月にIMFがドル引き下げの必要性に言及したことも事実であり、今後、再び円高ドル安が進行する可能性は極めて高いと言わざるを得ない。

 
それでもまだ為替が1ドル=119円台で落ち着いているのは、米国のインフレが深刻になったためだと言われている。急速なインフレ進行により米国はインフレ対策が喫緊の課題となり、為替問題に着手している場合ではなくなったというわけだ。

 
また、ここにきて原油価格が上昇してきているが、米国は原油高が進行しているときに円高ドル安には振れさせないらしい。ということは、今はただ先送りされているが、今後、米国のインフレと原油価格が落ち着けば、いよいよ円高誘導が行われるということになる。

 円高リスクの高まりが国内企業にとってマイナスになるのは間違いない。世界同時株安後、主要な株式市場が急落前の水準に戻るなかで国内の株式市場だけ戻りが鈍いのは、こうした円高リスクの内在に要因があるのかも知れない。

東麻布の宮


 【グローバルなエネルギー戦略が求められる時代】

 
最近、地球温暖化への懸念が増幅してきたことで、化石燃料からバイオ燃料へのシフトが進んでいる。

 これにより、バイオ燃料の原料となるサトウキビやトウモロコシ、菜種などが高騰しているほか、これらへの転作が世界各地で急増したことによって他の穀物も品薄で値上がり傾向となっている。パンや牛乳、果汁飲料、ビールから飼料の影響を受ける畜産物まで、その影響は拡大するばかりだ。

 この傾向はますます強まるものと思われる。中国やインドをはじめ、他の新興国が急速な経済発展を続けるなか、食物やその原料需要が増大していくことは確実で、今後、日本は食物確保が一段と困難になるだろう。

 日本の総合食料自給率(農林水産省発表、2003年のカロリーベース)は40%と低い。米国(128%)やフランス(122%)、ドイツ(84%)、英国(70%)など他の先進国と比較すると極めて低水準であり、特に穀物に至っては27%という状況である。世界の需要動向が日本を直撃するのは当然だ。

 だからといって、地球温暖化ガスの排出権取引と同様、お金を払えばよいという問題ではない。

 政府では、FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)により輸出入の規制緩和を模索する動きが目立っているが、自給率が回復しない現状をみる限り、国内の農業政策に対する危機感は足りないと言わざるを得ない。

 このままでは、有事の際に国家として自立した戦略がとれるはずはない。石油や天然ガスなどが国家のエネルギー戦略として語られることが多いが、エネルギーは化石燃料や鉱物資源だけではない。食物もヒトが生きるうえでの欠かせないエネルギーであることを念頭に、国家レベルでの幅広いエネルギー戦略を策定していくことが必要な時代にきている。

大和


 【安・近・短と海外組に分かれた今年のGW】

  今年のゴールデンウイーク(以下GW)の期間(4月27日〜5月6日)は3連休、4連休と、昨年(2連休、5連休)と曜日周りは違うものの、2007年3月のTDB景気動向調査結果では、小売、サービス、運輸関連の業種の先行き見通しで、GW期間の消費拡大に期待する声が多かった。

  5月7日にJALとANAが発表したGW期間中の旅客実績をみると、JALグループの旅客実績は国内線が前年比2.3%増、国際線が同1.0%減、ANAグループは国内線が同4.6%増、国際線が同6.6%増と両グループとも堅調だったようだ。

 
消費支出の約1割を占めるレジャー関係費に景気回復の後押しを期待する声は多いが、2007年4月のTDB景気動向調査結果の業種別の景気DIを見ると、明暗が分かれた。「飲食店サービス」(48.3)は前月比0.5ポイント増、「娯楽サービス」(43.9)も同3.2ポイント増と改善したが、「旅館・ホテル」(46.4)は同0.8ポイント減と悪化した。

 
国内では、都心の新丸の内ビルディングや東京ミッドタウンなどの新名所への連日の人出が伝えられたように、安・近・短の日帰り需要の増加や帰省組が牽引したようだ。

 GW後半は5月調査の結果を待ってとなるが、この傾向に大きな変化はなさそうだ。

脱・属国


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