主観客観
2007年9月6日

【堅調と言えなくもなかった8月の景気DI】

  景気DIはついに5カ月連続の悪化となったが、調査期間中に米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題の再燃に端を発して日経平均株価が一気に1,500円下落し、為替相場も一時5円以上の円高となった割には、悪化幅は0.2ポイントにとどまっており、予想に反して堅調だったと言えなくもない。

 
これだけ悪材料があっても悪化幅が小幅だったということで、個人的には9月の景気DIの改善に期待をかけている。実際、先行き見通しDIをみると、「6カ月後」「1年後」は、まだ悪化に歯止めがかかっていないものの、「3カ月後」はようやく下げ止まった。

 
今後のプラス材料もないわけではない。大手各社は堅調な企業業績を維持しているうえ、IT在庫調整が峠を越えたことによって、これから生産活動が再加速するとの期待が高まっている。

 
もちろん、先行き見通しDIはまだ悪化基調を抜け出していないうえ、米住宅景気や円高への懸念もさらに高まっていることからみても、景気DIがすぐに大幅改善するのは困難とみられる。

  しかし、これまで多くのリスクが織り込まれてきた景気DIに、下げ止まる程度の期待をかけてもいいのではないか。いずれにしても、9月のTDB景気動向調査の結果を注目したい。

東麻布の宮


 【改革の進展なくして政権の存続あり得ず】

 
2007年10月1日、「日本郵政」が発足する。
 小泉前首相が構造改革の本丸として位置づけた郵政民営化は、郵政解散から丸2年が経過しようやく実現へ向かうが、参院選による安倍自民党の惨敗によって、旧来のバラマキ型の政策を復活させようとの勢力が再び台頭し始めている。

 2007年8月のTDB景気動向調査では、政府の構造改革に対する意識調査を実施し、今後も構造改革が「必要」との声が6割超を占めた。企業からは、「構造改革は必要である。国民に痛みを押し付けるだけでなく、政府自ら議員削減や省庁再編を先行すべき」(建築工事、東京都)との声のように、政府や官公庁にとっても厳しい改革を望む声が多数聞かれた。

 一方、地域間格差の拡大に対する懸念は根強い。
 しかし、格差対策として求める政策では「中小企業支援策」や「企業誘致の活発化」が上位に位置し、バラマキ型の復活を求める声は全体の3割にとどまった。

 景気DIの低迷が続く北海道の企業からも、「経済のグローバル化は止めることが出来ない。よって、地元企業の活性化、企業誘致、各自治体独自の広い意味での産業政策が必要である。公共工事やふるさと納税は根本的な原因の解決にはならない」(保険代理店、北海道)との意見が挙がっており、地方が自立できるための構造的な改革を強く望んでいる様子がうかがえる。

 安倍政権が国民の支持を得ながら構造改革を進めるためには、官公庁や特殊法人改革など、税金の無駄遣いを徹底して排除する政策を打ち出すことが不可欠である。

 改革の必要性を訴える企業の声を聞かずして、政権存続はあり得ない。

 詳細な調査結果は下記からご覧ください。
 http://www.tdb-di.com/visitors/index.htm

大和


 【三隣亡だけではない建設業界の憂鬱】

  2007年8月、景気DIは前月比0.2ポイント減の42.5で5カ月連続の悪化となった。特に、『建設』は前月比0.3ポイント減の36.3と5カ月連続で悪化し、10業界中最低水準となった。公共工事削減や脱談合による一般競争入札導入で落札価格が最低制限価格近くで決着することが多くなるなど、受注環境は相当に厳しくなっている。

  前月7月調査時には、参院選による工事発注の遅れを嘆く声が多かった一方、参院選後の工事発注に期待する声が多く寄せられていた。

 
しかし、参院選が終了した8月調査では、あらたな悪化材料を懸念する声が浮かび上がった。耐震偽装問題に端を発した2007年6月20日施行の建築基準法改正による発注の遅れだ。

 
「建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律」施行により、建築基準法、同施行令、同施行規則が大幅に改正された。改正告示、新規告示が多数公布されることで「分かりづらい」「確認申請の混乱により、工事物件の工期が定まらず、予定工事が延期され工場稼動率が極端に悪くなってきている」との不満があがっている。

 8月末発表の7月の新築着工統計では、全建築物の着工床面積は前年同月比 22.7%減、新設住宅着工戸数は同23.4%減と大幅悪化となった。国土交通省では、この大幅減少の要因を「主として改正建築基準法の施行という制度変更に伴う手続上の要因によるものであり、その影響は一時的なものであると考えている」と捉えている。

 一方、企業は「この影響は相当長期に渡ると考えられる」と、実際の現場では深刻に受け止められている。亥年は建設業界にとっては三隣亡の年、ただでさえ受注減少で疲弊しているなか、今後の建設業界の動向に注目したい。

脱・属国


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