主観客観
2008年3月5日
『TDB景気白書』発刊

 2月中旬、『TDB景気白書2007年版』を発刊し、『TDB景気動向調査』に昨年1年間で一定以上のご回答をいただいたご協力先企業様に対しては、感謝の意を込めて贈呈しました。

 この白書は、景気DIや経済統計などの「定量情報」に、国内経済に関する企業の具体的な声などの「定性情報」を加え、多視点的に国内経済を捉えることを目的に制作したものです。

 贈呈する際にアンケート票を同封し、白書に対するご感想やご意見をお伺いしました。その結果、特に東京・大阪・金沢で開催した「座談会」に関しては、“企業のナマの声が盛り込まれ数字に表れない経済の実態が語られている”といった好意的なご意見を多くいただきました。

 半面、「座談会」の開催地域の拡大や、業界をさらに細分化した分析、より掘り下げての分析などのご要望も多数ありました。

 アンケート票にご記入・ご返信いただいた方には、この場をお借りして深く御礼申し上げます。また、この白書が発刊できたのも、日頃から景気動向調査に回答していただいている企業の方々のご協力のおかげです。重ねて御礼申し上げます。

 次版はこれら貴重なご意見・ご要望にできる限り沿えられるようにし、より一層充実した内容にしていく所存ですので、今後とも毎月の調査へのご回答をよろしくお願い致します。

(東麻布の宮)


解散総選挙による日本の立て直しが急務に

 消費者心理の悪化が止まらない。

 直近の2008年1月の消費者態度指数(内閣府発表)は、前年同月比10.6ポイント減の37.5となった。これは14カ月連続の悪化で、2003年6月以来の低水準である。

 消費者態度指数の構成項目には、「暮らし向き」、「収入の増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」の4つがある。これらすべてが悪化傾向にあり、順に21カ月、19カ月、14カ月、14カ月連続の悪化と散々だ。また、その水準をみると「暮らし向き」や「耐久消費財の買い時判断」は、現行の調査方式となった1982年以降最低である。

 消費者心理がこうした水準まで落ち込んだ背景には、サブプライム問題をきっかけとした世界経済の減速懸念があるが、国内をみれば景気回復の実感のなさと政治不信の増幅に集約される。

 可処分所得が減る一方、消費財の値上げが相次いでいる。今後も一段の値上げが確実視され、いつ収束するかも見通しがつかない。医療・年金問題では、失望の念が日本を覆っているような状況だ。

 このままでは、日本経済の地盤沈下は避けられない。昨年の年金や薬害肝炎問題、防衛省などの問題に続き、中国問題やイージス艦の衝突事故に関する不手際が重なって、もはや現内閣に日本をリードする力はない。

 ねじれ現象で国会運営が複雑化し、政治がますます混沌としてきた。7月のサミット終了を待たず、次年度予算成立後すみやかに衆議院を解散し、総選挙によって日本の立て直しを図ることが必要だ。

(大和)


深まる日中の相互依存関係

 「貿易統計」(財務省)によると、2007年に中国が米国を抜き日本の最大の貿易相手国となった。日本と中国との相互依存関係は非常に強まっており、日本人の生活にも中国製品は広く浸透している。

 1990年代後半以後、日本のデフレは中国の低価格製品の輸入が原因だとの議論が広がった。この議論は、1980〜90年代のアメリカ経済が苦しかった時期、失業を輸出しているとして、日本たたきが激しくなったのと同じ構図である。

 しかし、デフレのほとんどは日本の国内問題に起因する。自国の経済状態の悪化を他国に責任転嫁しようとするのは、いつの時代、どの国においても変わらない。

 一方で、1月に発覚したギョーザ中毒事件にみられるように、安全に対するリスクも隣り合わせにあることもまた確かである。

 そこで、TDB景気動向調査で中国製品・サービスに関する企業の意識調査を行ったところ、4割以上の企業が中国と直接または間接的な取引関係にある。そのうち、約8割の企業が中国製品やサービスの品質に懸念を抱いていた。さらに、懸念への対応策として4社に1社が今後、中国以外の新興国への切り替えを検討すると回答している。

 現在、日中貿易は日本の赤字となっているものの、日本から中国への輸出額は毎年20%前後で伸びており、赤字額は減少している。貿易の拡大は必ず両国に利益をもたらすが、現地で直接品質確認を行うことや相互のコミュニケーションを活発にすることなど、壁となる要因を取り除き信頼関係を構築する不断の努力が必要不可欠である。

(なんとか王子)


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