主観客観
2008年6月4日
北京五輪特需で国内消費は浮揚するか

 中国・北京で開催される夏季五輪がいよいよ2カ月後に迫ってきた。アジアでは東京、ソウルに次いで3番目となるが、今回はチベット暴動や聖火リレー妨害など、開催前にさまざまな問題が起こった。特に、5月12日に発生した四川大地震では、死者数が6万9千人超、被災者は4,500万人を超えるという大災害となり、経済的ダメージのみならず心情的にも盛り上がれなくなっている。

 とはいえ、低迷する国内消費の活性化として五輪特需に関心が高まっていることも確かである。しかし、五輪特需の恩恵を受ける業界は限られると考えている企業は多い。

 TDB景気動向調査で行った北京五輪に対する企業の意識調査からは、特需が期待できるのは薄型テレビを中心としたデジタル家電や、北京五輪観戦を目的とした欧米の観光客の日本への流入、あるいは日本から北京への観戦を対象とした分野に集中している。

 しかし、このようなスポーツイベントでは、意外なモノがヒットすることが往々にしてある。例えば、2006年のサッカーW杯ドイツ大会では、参加国がどこにあるのか知りたいという消費者の欲求に答えた地球儀や、各国代表チームがドイツ国内のキャンプや調整で訪れた地域で収穫されたブドウで作ったワインなど、さまざまなアイデア商品がヒットした。

 つまり、特需は特定の業界だけが恩恵を受けるものではなく、いろいろな企業にもチャンスはあるということだ。結局、消費活性化にはオリンピック関連商品・サービスのアイデア次第ということになるのだろう。

(なんとか王子)


原油高への対応が急務

 NY原油先物相場(WTI)が5月下旬に一時1バレル=135ドルを突破し、5月1カ月の上昇幅が年初〜4月までの過去4カ月間の上昇幅に迫るなど騰勢が加速。原油高に伴うガソリン卸価格の大幅値上げで、レギュラーガソリンの全国平均小売価格が1リットル=170円台となった。

 TDB景気動向調査では、「原油価格の高騰に伴う収益悪化が今以上に顕著となる。価格転嫁も難しい」(貨物自動車運送)、「原油も穀物も実需から離れマネーゲームの中にあり、実質価格での取引が将来的に見込めそうにない」(農協)、との価格高騰を憂う声が増加している。

 日本の石油備蓄は「石油の供給が不足する事態が生じた場合にも安定的に供給を確保し、国民生活および国民経済に著しい混乱が生じることを回避すること」を目的に1972年度から民間備蓄、1978年度から国家備蓄が開始され、現在の備蓄量は177日分(国家99日、民間78日)ある。過去には1990年8月の湾岸危機と2005年9月の米国ハリケーンによる産油地被害に対して、一部備蓄を取り崩し対応した。

 高騰の背景にある一部ファンドマネーの存在に対しては、それを逆手にとって「各国協調し備蓄放出の検討を開始」という姿勢表明をすることだけでも、手仕舞い売りを誘い一時的にでも高騰を食い止めることはできるだろう。

 国連食糧農業機関の「食料サミット」がローマで開催されているが、ここで是非、原油価格の協調政策についても水面下外交で進めて欲しい。バイオ燃料に関する技術的なことも重要であるが、急ピッチな原油高に歯止めをかける即効性のある戦略を打ち出して欲しい。

(脱属国)


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