主観客観
2008年7月3日
経済構造転換のキーワード「内製化」

 原油価格の騰勢が加速している。

 NY原油先物相場(WTI)は2008年の年初に1バレル=100ドルを突破し、その後は緩やかに上昇傾向となり4月までに同120ドルとなった。しかし、5月に同135ドル、6月に同140ドルまで高騰して、直近2カ月間で1〜4月と同じ上昇幅を記録した。

 この背景の1つには、サブプライム問題による損失増に加えて、不良債権の拡大懸念によって金融不安が長期化していることが挙げられる。このため、世界の投資マネーは原油や穀物といった商品市場に流入しており、その利益がさらに先物取引で循環して一段の物価高騰を引き起こしている。

 これが、日本国内でも企業収益や個人消費に大きな影響を及ぼしており、再び「狂乱物価」と言われるほどの混乱を招いている。

 諸物価の高騰は、企業業績や景気全体への下振れ懸念を増幅させており、7月2日時点で日経平均株価は1965年の証券不況以来、43年ぶりに10日連続で下落。先行き不透明感の高まりは、バブル崩壊後の景気後退期をしのぐ状況とも言える。

 今後、抜本的な経済構造の転換は避けられない。

 国際競争力の維持に努めながらも、原油に替わるエネルギー開発やさまざまな産業における可能な限りの内製化、国内農業投資の拡大、地産地消などを官民一体となって推し進める必要がある。

 内製化は、脆弱な経済基盤から脱却し、内需中心の経済構造に転換する最も重要なキーワードになると考える。

(大和)


北海道洞爺湖サミットで求められる環境問題への具体的ビジョン

 全地球的な問題に対するシンクタンクであるローマクラブが報告書『成長の限界』を出版したのは1972年のことである。以来、資源枯渇や環境破壊、人口増加問題への対策がさまざまな機会を通じて議論されてきた。1991年には「持続可能な発展のための経済人会議(BCSD)」を組織し、“環境効率”という考え方を提唱、1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットでも取り上げられることとなった。

 “環境効率”は「持続可能な発展」のための戦略である。つまり、より少ない天然資源からより多くの利益を生み出すことを目的とし、それにより地球環境にかかる負荷を軽減、同時に新しいビジネスチャンスを作ることができるというものだ。

 環境問題を語るとき、企業の社会的責任や将来世代にツケをまわすべきでないといった意見など、企業や個人が高い環境意識を持つことは非常に重要である。とはいえ、個々の倫理観に頼るだけではやはり限界がある。そこには、市場メカニズムを通じた企業活動抜きには考えられない。

 その意味で、排出量取引は具体策として実効性が高いといえよう。排出量取引は政府が各企業に排出枠を割当て市場で取引する“キャップ&トレード方式”や、排出枠の分配そのものも市場に委ねる“オークション方式”などがある。これらは排出量の削減が経済的利益に結びつくため、企業は排出量削減に対するインセンティブを持つことになる。

 逆に最も避けるべきは、問題が生じるたびに場当たり的な対応に終始することだろう。市場が歪み、効率的な資源配分をも歪める結果になってしまうであろう。

 BCSDは環境マネジメントに関する規格をISOに提言し、のちのISO14001につながった。7月7日に始まる北海道洞爺湖サミットでは、環境問題に関する実効力のあるビジョンがまとまることを期待している。

(なんとか王子)


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