主観客観

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長寿を誇れる国になるために

2010年8月4日

 厚生労働省が発表した「2009年の簡易生命表の概況」によると、日本人の平均寿命が男性79.59歳、女性86.44歳と、それぞれ4年連続で過去最高を更新した。女性は25年連続で長寿世界一の座をキープしている。

 平均寿命の上位をみると、男性のトップはカタールで81.0歳、2位は香港で79.8歳、3位はアイスランドとスイスで79.7歳、日本は5位だった。一方、女性のトップは日本、2位は香港で86.1歳、3位はフランスで84.5歳、4位はスイスで84.4歳、5位はスペインで84.27歳だった。同省では、がん・心臓病・脳卒中の三大死因と肺炎による死亡率が改善したため寿命が伸びたと分析している。

 一方、警察庁が発表した「平成21年中の自殺の概要」によれば、2009年の自殺者は3万2,845人で1998年から12年連続の3万人超となった。うち70歳以上の高齢者の自殺者が全体の約2割を占めている。高齢者の自殺の動機としては病苦が6割以上を占めており、経済・生活問題、家庭問題がそれに続いているが、その背景にはうつ病などの精神疾患が存在していることが多いとされている。

 高齢者のうつ病は自殺の危険性が高いとされるにもかかわらず、周囲が認知症と混同して満足な治療が受けられないケースもあり、適切な治療に結びつけたり、危険性のある人を継続的にフォローすることが、高齢者自殺の予防につながる。

これには行政や医療機関などの協力体制が重要であることは当然だが、もっとも大事なのは高齢者の引きこもりを防止し、生きがいを創造させるような家族や地域コミュニティとのつながりである。

日本は長期間に渡り社会貢献してくれた多くの高齢者が、自ら命を絶ってしまうような悲しい国になってはならない。高齢者自身が長生きしたことを心から喜べるようになるために、また、国民全員が長寿国としての日本を真に誇りと思えるようになるために何ができるか、家族や社会全体で考えてみる必要があると思う。

(Ashes to Ashes)


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