主観客観

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沈む日本

2010年11月4日

 菅改造内閣が発足して2カ月半が経過したが、内閣支持率が急落している。その大きな要因としては、長期化する景気低迷や政治とカネの問題のほか、尖閣諸島問題に端を発した中国との緊張に代表される外交問題が挙げられるだろう。

 11月1日には、ロシア大統領が北方領土の国後島に足を踏み入れ、日本に衝撃を与えた。中国の相次ぐ予想外の言動に面食らって、その対応にも右往左往している日本政府をあざ笑い、試すかのような絶妙のタイミングである。菅首相はまたもや「冷静な対応」を求めるばかりであるが、無防備な横っ面を連打されながらも、頭をかきながら困惑の表情を浮かべることしかできないような日本の外交姿勢では、領土問題にかかわらず、山積している外交課題の見通しは暗い。

11月13日からはAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が開催される。ロシア大統領も出席予定であり、日本は主権国家として北方領土回復に対し、どのような言動を行っていくのか。日ソ共同宣言以後の互いの確認事項やその変遷などをみれば、解決が容易でないことは理解するものの、このままでよいはずはない。  アジア太平洋地域にはAPECのほかにもASEAN(東南アジア諸国連合)やASEAN+3、EAS(東アジアサミット)、ASEM(アジア欧州会合)などの枠組があり、各国は連係を強化している。貿易交渉では韓国はすでにアメリカとFTAで合意し、2010年10月にはEUとも正式署名に至った。中国も巨大市場を武器に交渉を優位に進めている。

 このままでは、日本は世界のなかでますます埋没していく恐れがある。これを打開するためには、まずは国内政治を安定させ日本の毅然とした言動を国際社会で展開していくこと。そして、相手の立場を認めその発展につながる政策を模索しながらも、日本の利益を引き出す交渉を粘り強く続けていくことが重要である。

(大和)


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