主観客観

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不気味な後継者

2010年11月4日

 北朝鮮の金正日総書記は、朝鮮労働党創建記念日に開催された史上最大規模の軍事パレードに後継者とされる三男の正恩氏とともに参加し、北朝鮮が権力の移行期に入ったことを国内外に示した。正恩氏が金総書記や軍幹部らとひな壇に立ち、パレードする兵士らに敬礼したり、拍手を送ったりしている映像を見られた方も多いだろう。

 正恩氏はこれまで謎のベールに包まれており、その経歴や性格、容姿についての情報はごく限られたものしかなかったが、今回のパレードは、多くの外国メディアも招かれており、正恩氏が金総書記の後継者であると強く世界にアピールする舞台となった。

 核実験やミサイル発射など、度重なる瀬戸際外交によって経済支援が停止されているのに加え、相次ぐ天災による不作も重なり、多くの北朝鮮国民の食糧事情は悪化を極めているとされている。それでも後継者となる正恩氏は、父親のようにすべてにおいて軍を優先することで軍部の離反を防ぎ、国内体制の締め付けを図るというこれまで通りの路線を踏襲していくのだろうか。

 報道によれば正恩氏は10年ほど前にスイスに海外留学していたとされている。そこでは海外の様々な文化や思想、民主主義政治や自由な経済活動といったものに直接触れる機会があったはずである。その経験から考えて、今の北朝鮮の状態は異常であり、すでに危機的状況にあるとは感じていないのであろうか。

 北朝鮮の経済状況を好転させるには、軍を重視する路線を転換して、国際関係を改善することや市場を重視する政策を取りつつ、少ない国内資源を民間部門に配分するところからはじめるしか選択の余地はないだろう。また、このままでは崩壊までに残された時間も多くは残されていないように思える。

 映像を見る限りでは、父親にそっくりで不気味な雰囲気が漂う正恩氏だが、父親を反面教師とし、北朝鮮の置かれた現実を直視し、海外での見識を活かすことで、北朝鮮国民の生活を少しづつでも良い方向に導いて欲しい。

(Major Tom)


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