主観客観

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将来の日本を支える企業のために

2010年12月3日

 2010年の国内の新規上場(IPO)企業は22社になる見込みである。ジャスダック、マザーズ、ヘラクレスの新興3市場が実質的に整備された2000年以降で最低となった前年実績の19社は上回るものの、依然として大きく低迷しており壊滅的な状態にある。

 一方で、韓国最大手証券の大宇証券によると、2010年に韓国市場でIPOを行う日本企業は2009年の1社から、5社に増える見通し。国内の株式市場の低迷と景気の成熟化により、海外での資金調達とビジネスチャンスを求める企業が増えているほか、市場流動性の高さや上場維持コストの低さなども評価されているようだ。金融立国を標榜するシンガポールや香港なども外国企業のIPO誘致に力を入れており、コンサルティング会社などが主催する海外市場向けIPOセミナーは大盛況だという。

少子高齢化による国内需要の縮小で一部企業のIPOが海外に流れてしまうのは、やむを得ない部分もある。しかし、この閉塞感漂う日本経済を活性化するのは、次世代を担う数多くの有望なベンチャー企業である。それらの企業が国内でのIPOに見切りを付け、海外でのIPOを選択するケースが増えていることに大きな不安を感じる。

 国内新興市場の低迷がさらに続き、日本でIPOをしようとする企業が必要とする資金がマーケットから十分に供給されない事態となれば、新規ビジネスが成功するチャンスは限られてしまう。国内で新たな産業や雇用が生まれず、結果的に将来の日本経済に大きなマイナスをおよぼす。証券会社や取引所などの市場関係者は、新興市場の活性化なくして、日本経済の復活は期待できないという認識のもと、もっと強い危機感を持って市場を活性化するための施策や制度の見直しを実施すべきではないか。また、政府も将来の日本を支える企業のために、国家として新興市場を立て直す戦略を早急に打ち出す必要があると思う。

(Major Tom)


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