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2004年2月20日
【"利益なき繁忙"の国内パソコン事業】

   景気回復の数少ない原動力である電機業界。その牽引役は言うまでもなく、DVDレコーダー、薄型テレビ、デジタルカメラといった「新・三種の神器」。家電メーカーのみならず半導体メーカーにとってもまさに救世主であり、いまやその取り組みが各社の雌雄を決する。かたや白物家電や、かつては日本メーカーの独壇場だったVTR、ブラウン管テレビ、フィルムカメラは衰退の一途を辿っている。さらに、パソコン事業も世界レベルでの競争では苦戦を強いられており、日本メーカーはいま、デジタル戦略を核としたスピーディーな構造転換を迫られている。

  まずはVTR。電子情報技術産業協会(JEITA)発表によると、2003年のDVDプレーヤー・レコーダーの出荷台数は前年の1.5倍の520万4,000台と過去最高を記録、295万2,000台(前年比37.6%減)のVTRを通年ベースで初めて上回った。そのうちDVDレコーダーの伸びが前年の約3倍と突出し今年も2桁台の伸びを予想、AV分野におけるアナログからデジタルへの世代交代を如実に裏付けた。薄型テレビの2003年の国内出荷は、プラズマテレビが前年比24.7%増の23万台、液晶テレビが同51.9%増の153万台。一方、従来型のブラウン管テレビは前年比15.1%減の716万台となり、ここでも新旧交代が鮮明になっており、すでに松下電器、東芝、ソニーなどがブラウン管の国内生産からの撤退を決めている。2004年の需要予測でも、国内需要は液晶テレビが前年比94.0%増の240万台、プラズマテレビが同88.3%増の45万台を見込んでいるという。

  さらにカメラ分野でも、「デジタルカメラ」と「フィルムカメラ」の逆転現象が顕著になっている。カメラ映像機器工業会(CIPA)によると、2003年のデジタルカメラ世界出荷台数は前年比76.8%増の4,341万台の大幅な伸びを見せている一方、フィルムカメラは31.1%減の1,630万台と需要減少に歯止めがかからない。2004年予測でも、デジタルカメラの前年比40.3%増の6,090万台に対して、フィルムカメラは31.7%減の1,113万台とその差は拡大する一方である。

  2003年には過去最高を記録した世界のパソコン出荷実績だが、日本の電機メーカーにとってパソコン事業は"ドル箱"ではなくなっている。米調査会社のIDCによると、2004年の世界のパソコン出荷予測は前年比11.4%増と引き続き2桁の伸びを見せるとしているものの、平均単価はなんと440ドルもの下落を予想。また2003年の国内のパソコン出荷実績は、好調な法人需要が寄与したことで前年比5.3%増の1,056万2,000台(電子情報技術産業協会調べ)と3年ぶりにプラスに転じたが、出荷金額では単価の下落によって同4.1%減の1兆6,095億円と3年ぶりの前年割れを強いられている。さらに昨年12月は、台数が前年同月比5.6%減、金額同10.6%減と8カ月ぶりにともにマイナスに転落、今後も下落傾向が続く公算が大きいという。言うまでもなく単価の下落は各社の収益を直撃し、「特に世界のプライスリーダーではない日本メーカーにとっては、低価格化の加速は大きなダメージとなる」(業界関係者)。このように低価格競争のあおりを受けているわが国の電機メーカーにとって、パソコン事業はもはやコア事業ではなくなりつつあるようだ。


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