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2004年3月19日
【再編気運の高まる注目セクター】

    合併や統合などの合従連衡によって産業界の再編が続いている。しかし、ごく一部を除けば弱小連合が大半を占めているのが実状であり、まずはオーバープレーヤー状態をいかにして解消していくのかが焦点と言える。

  それではいくつかの注目セクターの行方を見てみると――。金融セクターでは、まずはカード業界。なかでもUFJ銀行が信販最大手の日本信販とUFJカードを2005年春にも合併させることで、同行がメーンバンクであるアプラス、セントラルファイナンス、そしてJCBの行方に関心が集まる。さらに、銀行系、信販系だけでなく、流通系、メーカー系、航空系が入り乱れての戦国時代に突入している業界なだけに、意外なアライアンスの可能性もある。

  また、自己破産の増加による貸倒引当金負担の増大と競争激化にさらされる消費者金融も、三菱東京フィナンシャル・グループがアコムを傘下に収めるなど銀行による抱え込みが始まっているほか、盗聴事件に揺れる最大手・武富士のオーナー一族保有株の動きも焦点になる。銀行業界も目が離せない。当面の注目は、地域金融機関の最終淘汰だが、公的資金新法である「金融機能強化特別措置法」の施行が夏頃になりそうなことから、7〜8月から9月中間決算に照準を合わせた10〜11月あたりがヤマ場になりそうだ。

  流通業界の最大の焦点は、何といってもダイエー。今期は売り上げ目標こそクリアする見込みだが、再建計画も3年目に突入することでそろそろ最終局面を迎えても不思議ではない。その場合、産業再生機構を活用した外資の資本参加や大手商社主導の再生スキームが取り沙汰されている。

  スーパー業界のもう一方の主役が、拡大戦略を加速しているイオン。「地場の有力スーパー、ホームセンターなどを取り込む可能性もある」(流通関係者)と言われるが、もちろん米ウォルマート・ストアーズや仏カルフール、英テスコといった外資の動きも見逃せない。

  家電量販店でも熾烈なシェア争いが予想される。「昨年はマツヤデンキ、和光電気など関西地区で淘汰が進んだが、今年以降は首都圏へその舞台が移る」(流通関係者)と言われ、最大手のヤマダ電機、ケーズデンキ、コジマに、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、さくらやなどが絡む形で、生き残りを賭けた戦いが本格化しそうだ。百貨店業界も三越がうすい百貨店、一畑百貨店、プランタン銀座を傘下に収め、伊勢丹も松屋、岩田屋などに資本参加するなど再編気運が高まりつつあり、地方百貨店のみならず、大手クラスの提携がさらに加速される公算が大きい。地域特化、もしくはメーンバンク主導の再編となれば、松坂屋、東急百貨店、東武百貨店あたりにも注目が集まる。

  そのほかでは、商社も過剰債務セクターであり、「今年以降、商社向け債権の査定も厳格化される公算が大きい」(銀行関係者)ことから、伊藤忠―丸紅など大手クラスの統合加速のほか、中堅専門商社再編の動きにも目が離せない。自動車では収益低下に苦しむディーラーの系列を超えた再編、鉄鋼では高炉メーカーが2大グループに集約されたことで今後は電炉業界再編へ焦点が移る。電機業界は半導体の事業統合に続いて、成長製品である液晶・プラズマ事業などを巡る合従連衡に関心が集まりそうだ。

  いずれにしても、不良債権処理と同様、もはや短期集中的な産業再編は困難になっており、しばらくは相互救済型や縮小均衡型の再編が主流になりそうだ。


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