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2004年6月8日
【加速する卸売業界の再編・淘汰】

  流通業界では、小売業界のみならず卸売業界でも再編への動きが慌しい。

  そもそも国内の流通構造は、2次卸、3次卸といった中間の卸業者、つまり問屋を通すたびに価格が上がるシステムであったにもかかわらず、問屋が流通の主導権を握ってきた経緯がある。ところが、デフレや消費不振に加えて、直販システムの浸透やインターネットの普及などによって、いよいよ従来のシステムが崩れつつある。

  すでに一部のメーカーなどでは、小売業者との直販体制をとり始め、いわゆる"中抜き"が着実に進んでいる。さらに、直取引で世界の流通を席巻してきた米ウォルマート・ストアーズの日本進出も、こうした流れに拍車をかけた。

  なかでも再編への動きが急なのが、食品卸業界である。それも大手商社主導によるもので、原料調達や輸入に強い商社が食料ビジネスを取り込もうとの狙いである。先行しているのが三菱商事で、食糧事業で8,000億円規模の取り扱いをしているほか、食品卸2位の菱食を傘下に抱え、明治屋など有力食品卸業者の共同体と連携する方針を打ち出し、さらに大手菓子卸のサンエスも傘下に収めている。

  伊藤忠商事は、集団食中毒事件や牛肉偽装事件によって危機に陥った雪印グループから雪印アクセスの株式を買い取って筆頭株主になっている。

  丸紅も、冷凍食品で高いシェアを持つナックスナカムラの第三者割当増資を引き受けて傘下に収め、出遅れていた三井物産も、食品卸5位の三友小網を傘下に入れて、「三井食品」として再スタートを切らせている。

  一方で独立系大手の国分は、地方の卸売業者との合弁会社設立や営業権買収などでシェア拡大を図っている。

  こうした卸売業界の再編・淘汰は、まだ緒についたばかりであり、今後、ますます加速し、あらゆる業界の卸売業者へと波及することは間違いない。

  いずれにしても、複数の問屋を絡ませるといった日本特有の流通構造は、確実に崩れつつあり、どのような流通構造が再構築されるのか、どの企業がイニシアティブを握るのか、しばらくは目が離せない。


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