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2005年2月7日
【今後の倒産のキーワードを示唆する2004年の倒産事例】


  2004年の企業倒産は1万3,837件で、10年ぶりの1万4,000件割れ、負債総額は7兆9,273億9,200万円で8年ぶりの10兆円割れとなり、バブル崩壊後の1つのターニングポイントとなった。ちなみに2004年12月は件数が1,064件、これで24カ月連続の前年同月比減少となり、減少の連続記録としては円高不況からバブル期にかけての85年1月から90年9月に次いで戦後2番目となる。

  さてここで、2004年の倒産を総括してみると―――。まずは大型倒産がさらに鳴りを潜め、その多くがゴルフ場、レジャー、不動産が占めたことがあげられる。 一方で見逃せないのが、負債規模こそ大きくはないものの地場大手、粉飾決算、事件絡みの倒産や素材価格の上昇、少子化の煽りを受けての倒産、さらにはこのところ沈静化していた融通手形による倒産が目立ち始めるなど、今後の倒産傾向を示唆する動きが見られたことである。

  例えば、鹿児島の「渕紙」、熊本の「浦島海苔」、愛知の「フジキン」などの地元を代表する大手地場企業の相次ぐ破綻は、地方経済と地域金融機関の地盤沈下を如実に示した。和歌山の老舗温泉旅館の「古賀乃井」のケースでは、これまでタブーとなっていた地方銀行による法的手続きだったことで、関係者に大きな衝撃を与えた。

  粉飾決算も目立った。ベンチャーとして急成長を遂げ、大手銀行などからの協調融資(シンジケートローン)も受けていた「ジェーシーエム」が、架空売り上げによって破綻に至ったケースは、粉飾決算とともに銀行の協調融資のズサンさを露呈した。

  事件、不祥事絡みの倒産も頻発した。前社長らが証券取引法違反(株価操縦)容疑で逮捕された東証1部上場の「キャッツ」、虚偽報告などの違反によって監督官庁から取引受託許可取り消し処分を受けた商品先物取引の「東京ゼネラル」、元社長が架空増資事件で逮捕された「丸石自転車」、偽装牛肉事件に関連した「ムッターハム」、粉飾決算などで迷走した大証ヘラクレス上場の「メディア・リンクス」など枚挙に暇がない。

  そのほかでは、少子化の影響で業績低迷に歯止めがかからなかった「秀月人形チェーン」や浅草花やしき経営の「トーゴ」、ディスカウンターやスーパーの乱立・淘汰の煽りを受けた「キムラヤ」や多くの地場スーパー、ミネラルウォーターメーカーとして業績を急拡大させていた「アクアクララジャパン」にみられるフランチャイズチェーン商法の行き詰まりなども、多くの企業に警鐘を鳴らした。

  このように2004年の倒産を振り返ると、過剰債務によるバブル型から、本業の不振による構造不況型へと倒産の主流が移行するなかにあって、これらの倒産事例が今後の倒産動向を見るうえでの重要なキーワードになりそうだ。


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