トピックス
2005年3月7日
【 2005年の注目セクターの行方(上)】


  大型の合従連衡が相次ぎ、外資を中心とした企業再生ファンドも定着、企業処理、不良債権処理の手法も、「破綻」から「再生」、「法的整理」から「私的整理」へのシフトがより鮮明になったことで、産業界の淘汰・統合への動きがさらに加速している。また、「産業再生」までは届かず、個別の「事業再生」にとどまっている産業再生機構も、再編加速への動機付けになったことは間違いない。

  ただ、ポジティブな合従連衡はいまだ一部に限定され、とりあえずはガリバー企業グループを形成している感は否めない。救済型の合併や買収についても本業の蘇生への明確な保証はなく、さらに熊谷組と飛島建設の統合白紙撤回が象徴するように、経済合理性を無視した銀行主導の問題企業処理のツケも露呈されている。そうした意味ではわが国の産業界の再編はまだ緒についたばかりであり、本来のグローバルスタンダード企業の確立には、まだかなりの時間を覚悟しなければならないだろう。

  金融セクターでは、まずはノンバンク業界。昨年は東京三菱のアコム、三井住友のプロミスの取り込みなど、リテール分野において従来の垣根を越えたアライアンスが活発化、今年も熾烈な再建劇が繰り広げられる。4月に予定されていたUFJ系列の日本信販とUFJカードの合併が延期、これに東京三菱系のディーシーカードの合流構想が浮上。さらに、将来的には国際ブランドのJCBの囲い込みも視野に入れている一方で、三井住友もJCBには興味を示しているという。消費者金融業界では、中堅以下の淘汰のほか大手のアイフル、武富士、三洋信販などの動きも焦点となる。

  銀行業界も目が離せない。当面の注目は今年4月のペイオフ全面解禁を控えた地銀・第2地銀・信金・信組といった地域金融機関の最終淘汰。単独での生き残りが困難と見られる金融機関はまだ数多く点在し、再編、公的資金注入のターゲットとして、地域の2番手以下の金融機関を中心に北海道、東北、関東、中国、九州などの複数の金融機関が取り沙汰されている。さらに異業種の銀行参入の行方も注目される。また、アイフルが東日本銀行、ヤフーがあおぞら信託、ライブドアが西京銀行の株取得や提携への動きが見られるように、銀行界への異業種参入も焦点のひとつ。そのほかでも、参入を狙う企業やそのターゲットとして複数の名前が挙がっている。

  また、ペイオフ全面解禁を控えての信金、信組の動向も気にかかる。なにせ全国の信金で161、信組では99が不良債権比率10%を超え、繰延税金資産比率が40%を超えているところも数多い。

  もちろん、大手銀行の再々編も決してあり得ないことではない。つい先日、三井住友F.G.と大和証券グループ本社が経営統合へ向けて準備に入ることが明らかになり、金融界は再び騒がしくなってきた。ただ、この国内初となるメガバンクと3大証券の統合も冷静にみればインパクトに欠ける面は否めない。だとすれば、今回の三井住友への金融庁検査、大和証券との統合はメガバンク再編の最終ステージへの布石とも捉えられなくもない。

  外資の株式交換型の買収が解禁されることで、わが国のメガバンクは外資に呑み込まれかねない状況に直面する。「時価総額10兆円、業務純益2兆円」が防戦ラインといわれるなか、その資格を得ているのは三菱東京―UFJのみ。となれば、やはり三井住友、みずほF.G.の動きには目が離せない。

  さらに、金融コングロマリット化においては、証券界のガリバー・野村H.D.や生保業界のトップ・日本生命の動きもクローズアップされてくる。


このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all rights reserved.