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2005年4月7日
【 2005年の注目セクターの行方(下)】


  昨年に続いて今年も再編の目玉になりそうなのが通信セクター。日本テレコム、C&WICDなどの相次ぐ買収戦略によって通信大手の一角となったソフトバンクは、今年も台風の目であり、ソフトバンク新規参入問題で注目されている携帯電話はじめ、固定電話、光ファイバーやADSLなどのブロードバンド事業などを巡るNTT、KDDI、電力系、ボーダフォンなどとの覇権争いはさらに加熱しそうだ。

  流通業界の最大の焦点は、ダイエーに尽きる。産業再生機構主導によって丸紅連合がスポンサーに決定、その行方によっては業界地図が大きく変わる可能性もある。

  ゼネコンセクターでは、曲がりなりにも事業提携や合併が進み、熊谷組やフジタ、ハザマなどの債権放棄組の有利子負債も激減、再編・淘汰への動きは一巡の感がある。とりあえずは、中堅以下もしくは地場ゼネコンの整理程度だろうが、会社分割に踏み切る三井住友建設と統合を予定しているものの、分割会社の再分割を余儀なくされそうなフジタの行方も気にかかる。

  商社セクターでは双日ホールディングス。約3,600億円の金融支援を原資として前期に不良資産処理を断行したものの、今期以降、多額の債権放棄を含めた過剰債務削減策は不可避。そうなれば、ゆくゆくは三菱東京―UFJ主導による豊田通商―トーメン、兼松などとの連携、三菱商事の吸収なども視野に入ってくる。もちろん中堅専門商社再編の動きにも目が離せない。

  自動車業界では、三菱自動車工業がいかにソフトランディングできるか。昨年4月の独ダイムラークライスラーの支援打ち切り表明、度重なるリコール問題によるブランドイメージの失墜によって、すでに3度の再建計画策定を強いられているが、自力再建は厳しい。三菱重工業傘下で再建を目指すというが、収益の向上や販売回復の具体策に乏しい面は否めず、今後のメーンバンクの東京三菱銀行、三菱重工の動きに注目が集まる。

  さらに今年のひとつの焦点になりそうなのが、メディア業界の動向。早速、ライブドアがニッポン放送の発行済み株式の過半数を取得、筆頭株主に躍り出たことで大騒ぎになり、世間の関心はライブドアによるニッポン放送、さらにはフジテレビ買収騒動一色。その後、ソフトバンク・インベストメントが本丸・フジテレビの筆頭株主となり、事態は二転三転しているが、今回の騒動はわが国の放送業界を取り巻く状況が大きく変わりつつあることを強烈に印象付けたことは確かである。

  いうまでもなくメディア各社は、デジタル化や活字離れ、少子化などによって、大型設備投資や再編、経営統合、リストラを迫られている。一方でこの業界のボーダーレス化はもはや避けようもなく、いまや異業種や外資にとっては最大のターゲット。大手家電メーカーや大手商社、IT企業、国内外の投資ファンドそして外資などが虎視眈々と狙いを定めているという。

  日本の放送局は、「番組」という他に追随を許さない抜群のコンテンツを保有、資産も膨大である。にもかかわらず、株価も割安、PBR(株価純資産倍率)も極端に低い。因みに東京キー局のPBRをみると軒並み1倍台であり、時価総額も2,000億円から5,000億円にとどまっている。つまり、多くの放送局は格好の買収ターゲットであり、いつ第2のニッポン放送、フジテレビが浮上しても不思議ではないということである。

  いずれにしても、いよいよ今年こそ、テレビ、新聞、出版などのメディア再編元年になる公算が大きく、プロ野球界に負けず劣らず旧態依然としている業界だけに、かなりの混乱に巻き込まれるのは必至。メディア業界再編の引き金はどこがひくのか、大いに注目される。


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