トピックス
2005年7月7日
【ゼクー倒産に見る新興上場企業の危うさ】


  JASDAQ、マザーズ、大証ヘラクレスなどの新興市場は、新規株式公開(IPO)ラッシュに沸いている。IT関連のほか、ファンド、流通、バイオ、シルバービジネスなど多彩な顔ぶれが揃い、高株価の企業も数多い。しかしその実態を見るにつけ、本業の不透明さやマネーゲーム的な要素も大きく、ある種の危うさは否めない。

  たとえば、債務超過解消、信用不安払拭、さらには株価対策などを目論んだ増資後、あるいは増資計画の頓挫によって、倒産に至るケースが目立ち始めている。なかには実態のない増資計画や株価操作まがい、悪筋に食い物にされるケースも散見され始めた。6月15日に東京地裁から破産手続開始決定を受け、東証マザーズ初の倒産となった居酒屋チェーンの「ゼクー」は、まさにその象徴的なケースだった。

  上場直後からの「内紛」、「度重なる代表・主要株主の交代」、「株式100分割前後の株価の乱高下」、「高株価を利用したM&Aの失敗」、「増資を巡る不可解な投資家の動き」など、迷走を繰り返した末の破綻であり、新興企業のハイリスクぶりを露呈する結果となった。今後も、ゼクー同様の破綻や事件化のケースは間違いなく増えていくであろう。

  ところで、こうした新興上場企業の錬金術として注目されているのが、発行済み株式を分割して株数を増やす「株式分割」。仮に株を2分割すれば流通する株数は2倍へ、株価は2分の1になり売買は活発になる。そして新たな株券が発行されるまでの約50日間、供給不足が発生。分割数が大きければ大きいほどこの需給バランスが歪み、株価は急騰しやすくなるという仕組みである。

  2001年10月の規制緩和でこうした大幅な株式分割が可能になった。このマジックを利用して時価総額の膨張を目論むケースが頻発している。こうした株式分割や第三者割当増資などを駆使して株価を吊り上げ、それを元手にM&Aを仕掛けて事業拡大を図るという手法は多くのIT企業に共通した錬金術であり、日本の株式市場の欠陥を巧みに突く形で株式市場をカジノ化、バブル化させている訳だ。ただ、こうしたマネーゲームのツケを押し付けられるのは、結局は一般株主。こういう会社に注意が必要なのは言うまでもない。


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