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2006年2月7日
【再編気運高まる電機業界】


  わが国の基幹産業である電機業界で、いよいよ再編への口火が切られようとしている。

  昨年秋、大手の一角である三洋電機の経営問題が浮上したのは記憶に新しいが、再編の瀬戸際に立つのは三洋電機だけではない。その再編の対象は、構造的な製品価格デフレに歯止めがかからないデジタル家電から半導体、白物家電など多岐にわたり、東芝、日立製作所、富士通、NEC、ソニーなどの大メーカーとて決して他人事ではないのである。

  頼みのデジタル家電は年率3割を上回る驚異的な価格下落が続き、海外市場では韓国サムスン電子などの攻勢で苦戦が続いている。半導体や液晶パネルの開発・設備投資競争で海外メーカーとの体力格差は決定的であり、「このままでは、将来的に生き残れる日本の総合電機メーカーはごくひと握り」(経済産業省関係者)という正念場にあるのだ。

  日本の総合電機メーカーは、あまりに危機意識に欠けていた。90年代半ばまでは、常に横並び意識が優先され、新規事業に対して各社こぞって参入。その後10年余り、特定分野に経営資源を集中させ、事業の統廃合や合弁会社設立など事業単位での合従連衡を進めた結果、確かに従来の「総合電機11社体制」は実質的に崩れてはいる。

  それでも、いまだに総花的な経営から脱し切れていないが実状だ。欧米や韓国などでは、大手は1〜2社体制に集約され、わが国のようにすべての事業を手がける総合メーカーが10社以上も存在する国は皆無である。

  総合電機大手11社の売上高合計は約50兆円、全世界の従業員は160万人に達するにもかかわらず、合計の純利益はわずか3000億円足らず、韓国サムスン電子1社の半分にも満たない。さらに電機大手の多くは2000年以降、余剰資金を吐き出してきただけに、体力は大きく疲弊している。もはや、「相似形11社」は限界に達しているのは誰の目にも明らかであり、日本の電機業界がグローバルスタンダードに近づくためには、大手すべてが同一の経営・製品戦略という現在の構造からの決別が大前提となる。投資を各事業のトップ企業に集中させ、国際競争力のある製品戦略を進める以外に復活への道はない。"総合"の看板を降ろす覚悟の「大掛かりな解体」は、もはや避けられないのである。

  生き残りの条件としては、例えば松下やシャープなどのように断トツのシェアを持つトップメーカー、もしくは海外生産に特化することで強力なコスト競争力を持つメーカーに限定されるという。最大手クラスでさえも、「将来的にみると、現在のままの姿での生き残りは難しい」(証券アナリスト)との見方もある。

  まずは三洋電機やパイオニア、日本ビクター、さらには半導体業界の再々編などが口火を切る形で、今年は、"電機再編元年"になる公算が大きく、これから数年間は各事業、各メーカーの間で外資も絡み合いながら合従連衡が繰り返されることになりそうだ。


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