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2006年10月6日
【 いよいよ顕在化してきた原油高関連倒産 】


  原油価格高騰の影響が関連企業の体力をジワジワと蝕んでいる。2006年9月には石油販売のアサミズ(負債90億円)、建築用塗料メーカーの恒和化学工業(同53億円)が相次いで民事再生法を申請するなど、中規模倒産が頻発している。

  アサミズは、福島県内を拠点にガソリンスタンド経営・プロパンガス販売を手がけていたが、原油の仕入れ代金の増加によって資金繰りが急速に悪化。恒和化学工業も、売り上げが激減していたところへ今回の原油高がダメを押す格好となった。原油など素材価格高騰の影響が倒産という形で顕在化するまでには、業種や企業規模によって異なるものの、ある一定のタイムラグが生じるものだが、いよいよその火ブタが切られる兆しが見えてきた。

  原油価格高騰のダメージは、ガソリン、石油、軽油といった石油関連のみならず、鉄鋼、木材、食品などの幅広い業界にまで及ぶ。仕入れ価格の上昇分を販売価格に転嫁できずに窮地に追い込まれている企業は増幅し続け、その影響はさらに広がりを見せようとしている。

  2005年(1〜12月)には82件発生した「素材・原料価格高騰関連」の倒産(法的整理)は、2006年は1〜8月までの半年間ですでに97件と昨年をはるかに上回るペースで推移している。ガソリン価格の値上げ、消費者離れという悪循環が収益を圧迫しているガソリンスタンドとともに、輸送コストの増加に苦しむ運輸業者では改正道路交通法による駐車スペースの確保という新たな負担が追い打ちかけている。

  燃料費負担の増加から資金ショートした貨物自動車運送の横浜物流輸送、貸切バス運送の博多オリエント観光などの「原油関連」の倒産が67件と全体の7割以上を占め、早くも2005年の31件を大きく上回っている。アルミやステンレスなど「金属関連」では、アルミ資材・建材販売のアルグリーン(同9億2,700万円、東京)など10件が倒産している。

 倒産企業を業種別にみると、燃料費負担による「自動車運送業」もさることながら、減船や魚価安といった複合的な要因を背景とした「マグロはえ縄漁」の苦境ぶりが目立つ。そのほかでも、「石油製品販売」や「紙製品製造」などでも倒産が発生している。負債規模別では、10億円未満が6割を超えており、素材・原料価格高騰の煽りを受けて倒産に至る企業は、零細企業や大企業よりも中規模以下の企業に多いことが見て取れる。ここへきて原油価格は落ち着きを見せているとはいえ、タイムラグを考慮するとしばらく関連倒産が続くことが予想される。


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