トピックス
2007年2月6日
限定される三角合併解禁による敵対的買収


  昨年後半以降、日清食品と明星食品、キリンビールのメルシャンへの TOB (株式公開買い付け)のほか、日本製紙―レンゴー、マルハ―ニチロ、HOYA―ペンタックス、みずほ証券―新光証券、三菱ウェルファーマ―田辺製薬など、業界大手のM&Aラッシュが巻き起こっている。

  そして2007年の注目の1つが、5月に解禁される外資の日本子会社による親会社の株式を使っての合併が可能となる「三角合併」。この解禁によって、割安な株価や低PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業などは、外資にとって格好のターゲットとなる。

  もちろん業績が好調であっても、ライバルの日清食品と手を組んだ明星食品のように、外資によるTOBに嫌気して先手を打って経営統合や完全子会社化に踏み切るケースも想定されるなど、三角合併解禁を契機としたM&A旋風が盛んに取り沙汰されている。

  それでは今回の三角合併解禁によって、果たして外資による大型合併ラッシュが現実のものとなるのだろうか。確かに、日本の有力企業は株価や時価総額からみても魅力的な買収対象ではあるが、実は「三角合併では、敵対的買収は難しい」(大手事業再生ファンド)という。あくまで合併であることから、取締役会の承認や株主総会での3分の2以上の賛成がなければ成立しないからだ。つまり、実質的には「敵対的」買収に発展するケースは限定され、むしろグループ間における再編・統合などに活用されるケースが想定されるという。そうした意味では、三角合併解禁に対して、現状あまりにも過剰に反応している面は否めない。

 とはいっても、世界を舞台にしたM&A、グローバル化の流れが加速するなかにあって、わが国でも企業買収を本格化せざるを得ない事情があり、今回の三角合併の解禁がその勢いに少なからず拍車をかけることは間違いない。

 そもそも最近のM&Aラッシュは、業界再編、ガリバー企業グループの構築などがその背景にあるわけで、リーディングカンパニーであっても生き残りのためには事業売却、包括提携などを選択せざるを得ないところもあろう。特に国内市場が成熟して成長が見込めない食品、流通などの内需型業界はその典型ともいえる。

 さらに、「当初は敵対的であっても、経営戦略におけるシナジー効果などによって友好的買収へと発展することもあり得る」(外資系アナリスト)ようで、やはり今回の三角合併解禁は、M&Aラッシュへの1つのトリガーになる可能性を秘めている。

 また、M&Aはいまや大手企業だけの専売特許ではなく、中堅・中小企業の身売りも目立ち始め、後継者不在などを理由とした中堅・中小企業のM&A予備軍は全国で10万社を超えるという。今後は中堅クラスでも合併、身売りへの流れが加速されそうだ。


このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all rights reserved.