トピックス
2007年3月6日
    【 公的保証の縮小、
     利上げでさらに厳しさを増す中小企業


  今秋をメドに、中小企業向けの公的な信用保証制度の縮小が始まる。景気拡大が続き、金融システムは安定、倒産も総体として沈静化していることから、財政負担軽減のためにも公的な支援策の縮小は、今後も加速する公算が大きい。

  具体的には、保証付き融資が焦げ付いた場合、信用保証協会の穴埋め分をこれまでの全額から8割にまで減らし、残り2割は金融機関が損失負担するというもの。金融機関としては、否応なしに融資審査は厳格にならざるを得ないとともに、将来の焦げ付きに備えて貸出金利の上乗せも想定される。中小零細企業へのダメージを鑑みて、従業員10人以下で保証付き融資の合計残高が1,250万円以下は対象外になるという。とはいえ金融機関、特に信金・信組などの中小金融機関のスタンスが大きく転換していくことは間違いないだろう。

  一方で、不良債権処理がヤマを越えた民間金融機関も、無担保融資に対しては依然として及び腰なのが実状だ。たとえば、安倍政権の目玉政策の1つとして打ち出している「再チャレンジ」に沿った融資もなかなか伸びない。

  金融庁は、スコアリングモデルを活用した無担保融資や動産担保融資などの導入によって、担保や保証人の確保が難しい企業や倒産企業への融資拡大を求めている。しかし、「本格的に無担保融資に乗り出せば、再び不良債権が発生しかねない」(関東の第二地銀幹部)というのが各金融機関の本音。本来であれば、中小零細企業をメーンにする地域金融機関が、こうした再チャレンジ融資に積極姿勢を示さなければならないはずだが、「倒産やデフォルト歴のある経営者への事業資金の融資は依然として難しい」(大手信金)といい、これでは中小零細企業の救済は望むべくもない。

 もう1つリスキーな融資に乗り出せない要因として、金融機関自身が融資先の事業の将来性や技術の評価ノウハウの蓄積に乏しいという事情もあり、一朝一夕でそういったノウハウを習得できるはずもない。

 さらに、日銀は2月21日、昨年7月のゼロ金利解除以来7カ月ぶりに追加利上げに踏み切った。これによって、政策金利は0.25%上がり年0.5%となる。確かに企業業績は好調を維持しているものの、中小零細、地方企業の疲弊ぶりは改善されていない現実からして、今回の利上げの影響は決して小さくはない。資金調達コストの上昇が収益の圧迫要因になることは間違いなく、青息吐息の中小零細企業の息の根を止めかねない。

  ただでさえ、改善のメドが立たない中小零細企業の融資環境だが、今回の利上げ、そして今後の公的保証の縮小によって、さらに厳しさを増すことになりそうだ。


このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all rights reserved.