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2007年4月5日
         【 企業、経済のマフィア化


  経済、企業のマフィア化が想像以上に進行している。大阪のパチンコ情報提供会社の梁山泊(りょうざんぱく)は、マザーズ上場のビーマップ株をめぐる株価操縦容疑で大阪府警に家宅捜索を受け、その対象には広域暴力団幹部も含まれていた。

  昨年4月に倒産した大証ヘラクレス上場のアドテックスの元暴力団幹部を含めた元経営陣は、民事再生法違反容疑で警視庁組対3課に逮捕されている。倒産寸前の企業に入り込んで資産を食い潰すというこのアドテックスの手口にさしたる目新しさはない。しかし、いまやアングラマネーのみならず、企業舎弟自身が経営中枢にまで送り込まれている実態が白日の下に晒された意味は大きい。

  もちろんこれらだけでなく、"マル暴マネー"はあらゆる業界、企業に巣食っている。彼らはアングラマネーを高利回りで運用しつつ、マネーロンダリング(資金洗浄)を繰り返す。その手口は、第3者割当増資、株式分割、MSCB(転換社債型新株予約権付社債)の発行など多岐にわたる。頻繁な株主異動、代表者・役員の交代を繰り返し、ときには貸付金、債務保証、手形の乱発をも強要する。さらに、企業再生ファンドや外資ファンドにも、アングラマネーが紛れ込んでいるケースもあるという。そのほかでもヤミ金、未公開株売買、数回のキャピタルゲインを見せ金とした私募ファンドへの出資勧誘など、あらゆる材料を駆使してブラックマネーが資産を食い潰していく。

  特に、経営不振の新興企業に対して増資やMSCBの発行、さらには再生を大義名分とした投資ファンドを絡ませつつ、株価の吊り上げ、資金流用を行うパターンが目立つ。その最大のターゲットは、いうまでもなく新興ベンチャーであり、株式市場を舞台としたアングラ勢力による「乗っ取り」、「会社ころがし」には枚挙に暇がない。そして、その中心に暴力団やアングラマネーを資金源とする株の仕手筋の存在が見え隠れするケースが急増している。

 当然のことながら、そこには不透明な錬金術、株価操縦などの事件性が渦巻く。そこで、金融・捜査当局もようやく本腰を入れ始めたわけだが、なかでも人員と権限が強化された証券取引等監視委員会(SESC)は、今年の最大のテーマは、「ベンチャーと闇社会の実態解明と摘発」と位置づけていることからも、今後はベンチャー関係者とアングラ勢が芋づる式に摘発されることになりそうだ。

 ITのみを売り物して肝心のコアビジネスが存在しないところは決して少なくない。金融・捜査当局の摘発ラッシュによって、新興ベンチャーのレピュテーションリスク、コンプラリスクは急速に膨らみつつある。


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