トピックス
2007年5月8日
   【 いよいよ淘汰が始まるパチンコホール業界


 企業の過剰債務がほぼ解消されているなかで、数少ない過剰債務セクターとして金融業界の注目を集めているのが、典型的な装置産業であるパチンコホール業界である。

  市場規模30兆円といわれるパチンコ産業だが、実はここ10年余りは店舗数、集客ともに減少傾向を辿り、競合は激化の一途。パチンコホール運営業者は淘汰の荒波にさらされ、なかでも地方の中小クラスは厳しい。一方でマルハン、ダイナムなどの業界大手は年商1兆円を突破、スケールメリットを生かして寡占化を加速させてきたが、ここにきて買収攻勢も一巡、いよいよ本格的な淘汰が始まろうとしている。

  そのトリガーになりそうなのが、2004年7月に施行された風営法改正のなかの「みなし機を含む認定切れ遊技機の撤去」。これによって、従来の射幸性の高いパチスロ機を撤去、ホール業者は新たな設備投資を強いられることになり、「パチスロ機の入れ替え費用が嵩むばかりか、"認定切れ機"についているユーザーまで失う可能性がある」(業界関係者)という。そして、その猶予期限がいよいよこの6月に迫っているのである。

  大手こそ売上規模を拡大し続けてきたものの、ここ数年、中小クラスの業績は悪化し続けているのが実状である。限られたパイのなかで、収入が減少する一方で大手クラス並みの設備投資を強いられ、スケールメリットが生かせないという構造的な問題を中小業者は抱えている。これに、今回の認定切れ機の撤去による新たな設備投資が追い打ちをかける。

 当然のことながら、金融機関の融資スタンスも急速にシビアさを増している。新規出店による借入金の増加とともに、今後の設備投資が増大するにもかかわらず、客離れが進み、売り上げが減少するという悪循環に陥るだけに、自ずとパチンコホール業者に対する警戒感は強まっていく。ここにきて、「金融機関が突然、借り換えに応じてくれなくなった」、「債権の一部がサービサーへ売却された」といった声が後を絶たない。実際、業績の悪化と過剰債務によって倒産・廃業へ追い込まれる中堅・中小のホール業者が頻発している。

 もちろん、大手クラスとて例外ではない。新規出店ラッシュによって売上規模を拡大してきたものの、それに伴って債務も大きく膨らんでいる。今年に入って急速に資金繰りが悪化、支払い遅延や約定返済の遅れによって、窮地に立たされている大手業者も顕在化してきた。今後、市場が縮小していくなかで大手同士の競合激化は必至の情勢だけに、過剰債務は大きな重荷になりそうだ。

  いずれにしても、今年からパチンコ業界にかつてない本格的な淘汰・倒産の嵐が吹き荒れることは間違いないようだ。



このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all rights reserved.