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2007年6月6日
   【 いよいよ佳境に入る家電量販店の覇権争い


 国内家電流通の市場規模は、商業統計によると1998年以降、7兆円台での頭打ちが続き、すでに成熟化。今後は、限られたパイの奪い合いのなかで、生き残りを賭けた合従連衡がさらに過熱することになる。現在の家電販売は、「商品構成などで差別化を図ることは困難。安く売るためには、いかに販売数量を増やし、仕入れ条件を有利にして粗利率を維持していくかが勝負を決める」(大手家電量販店)。つまり、家電メーカーに対するバイイングパワー(交渉力)が優劣を決めるわけだ。

  この業界の上位は、2007年3月期の売上高が1兆5,000億円に達したヤマダ電機を筆頭に、エディオン、ヨドバシカメラ、コジマ、ビックカメラ、ケーズホールディングス(旧ギガスケーズデンキ)と続くが、否応なしに2位以下の合従連衡は進む。

  このところの相次ぐ再編ラッシュは、巨大なバイイングパワーを持つヤマダ電機への対抗戦略として位置付けられる。2006年12月に、6位のケーズホールディングス(旧ギガスケーズデンキ)が9位のデンコードーとの事業統合を発表して業界4位に浮上。マツヤデンキ、星電社、サトームセンの3社は経営統合に踏み切り、九州を地盤とする7位のベスト電器はさくらやを傘下に収め、ビックカメラはパソコン販売大手のソフマップを買収するなど、規模拡大のためのドミノ倒しのような再編が加速している。

  トップのヤマダ電機は2007年5月中旬、昨年に統合したばかりのマツヤデンキなどを傘下に置くぷれっそホールディングスの買収を発表。さらに、ビックカメラの本拠地である東京・池袋に大型店舗を出店する。

 一方で今年3月末、家電量販店2位のエディオンと5位のビックカメラとの経営統合が白紙撤回された。発表から、わずか2カ月余りのあっという間の電撃破局だった。

 デオデオ、エイデン、ミドリ電化を傘下にもつエディオンは昨年来、東京・秋葉原の老舗である石丸電気を買収、北陸のサンキューとも資本提携に踏み切っている。ビックカメラとの経営統合が実現していれば、グループ企業を含めた売上規模は首位のヤマダ電機と肩を並べるはずだった。今回の統合撤回によって最大手のヤマダ電機の対抗馬が消え、当面は"ヤマダ独走"の構図が続くことになる。とはいえ早晩、新たな提携、合従連衡が表面化することは間違いない。

 「2年後に生き残っている全国チェーンは3社のみ」(外資系証券アナリスト)ともいわれる激動の家電流通業界。今後、どのように勢力図が塗り替えられていくのか。勝ち残りの唯一のキーワードは、先述のようにメーカーに対するバイイングパワーであり、その強化のための業界トップを目指す覇権争いは、いよいよ佳境に入ろうとしている。

 今後の焦点は、エディオン、ヨドバシカメラ、コジマ、ビックカメラ、ケーズホールディングスという5陣営間の合従連衡、なかでも「実現すれば、ヤマダと対抗し得る規模となるエディオン、もしくはケーズホールディングスとヨドバシカメラの連携への動き」(業界関係者)。さらに、年商4,000億円未満の家電量販店を巡る争奪戦に絞られそうだ。



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