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2007年9月6日
    【 急速に再編・淘汰進む消費者金融業界


 監督官庁の各業界に対する締め付けが加速している。厚生労働省によるコムスンへの介護事業の新規の指定・更新打ち切り、人材派遣大手・フルキャストへの事業停止命令、経済産業省の英会話学校大手NOVAの特定商取引法違反による一部業務停止命令や信販会社が大きな痛手を被る割賦販売法改正への動き。金融庁では三菱東京UFJ銀行への相次ぐ行政処分に改正貸金業法の成立、金融商品取引法の施行。一方で公正取引委員会では、ヤマダ電機への立ち入り検査、改正独占禁止法によるゼネコン潰しが進み、警察庁の改正風営法によってパチンコホール業界が窮地に追い込まれるなど枚挙に暇がない。

  そうしたなか、金融庁が2006年11月に成立させた改正貸金業法が、早くも消費者金融のみならず、信販、クレジットカード業界という個人向けローン市場のノンバンクセクターに未曾有の大再編を迫っている。全国貸金業協会連合会によると、2007年3月末時点の全国の登録業者数は約1万2000、前年比17%減となり、ピークだった1985年の4分の1以下にまで淘汰されている。

  今後の想定される再編は、大手クラスの消費者金融、信販、クレジットをそれぞれ2〜3のグループに収斂、メガバンクの傘下に収めるというもの。実際、三菱UFJはアコム、UFJニコスとともにジャックス、三井住友は三井住友カード、プロミスのほか三洋信販、セントラルファイナンス、そしてオーエムシーカードを相次いで傘下に収めるなど、ここにきて従来の垣根を越えたメガバンク主導によるリテール戦略に拍車がかかっている。

  こうして、改正貸金業法が呼び水となって再編はさらに加速することになるが、これだけの"劇薬"だけにその副作用も大きい。たとえば、現在のノンバンクは消費者金融にしろ、信販にしろ、ある意味では社会生活、経済活動には欠かせない存在になっている。

 にもかかわらず、特に消費者金融に対して法改正に伴う明確なセーフティネットを、政府・金融当局はいまだに見出せてはいない。銀行再編にみられる救済的な公的資金の投入など望むべくもない。結局は、個人、個人事業主、中小零細企業にそのしわ寄せが及ぶことになる。また、消費者金融や信販・クレジット市場の縮小は、わずかながら上向いてきたとはいえ、依然として足腰の弱い個人消費にも水を差しかねない。

 もちろん、多重債務者問題や反社会的勢力の排除、競争力強化のためには、それなりの荒療治は避けられないだろうが、その再構築までにはかなりの混乱と出血を覚悟せざるを得ないだろう。



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