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2007年10月4日
    【 曲がり角を迎えた大手新興ベンチャー


 大手新興ベンチャーの失速が鮮明になってきた。まずは、子会社のコムスン問題によって、2007年6月期決算で前期の黒字から一転して407億円もの最終赤字となったグッドウィル・グループ。介護事業の売却とともに今回のブランド失墜の痛手はあまりに大きく、最大の正念場に立たされている。人材派遣大手のフルキャストも、行政処分によって2007年9月期決算は初の最終赤字へ転落。前期に上場来初の減益、2007年12月期中間決算で初めて減収を強いられた楽天も、「楽天市場」の競合は激化の一途、楽天証券などの金融事業も減速し始めている。TBSとの経営統合問題が泥沼化しているうちに、肝心の足元の業績が揺らぎはじめ、これに膨大な借入金が重くのしかかる。

  インテリジェンスの子会社化や関連会社株の売却によって2007年2月中間期で黒字転換を果たしたUSENだが、目玉事業の無料動画配信サービス「Gyao」の採算性はなかなか改善せず、ピーク時には2,000億円に達していた有利子負債の返済に追われている。そのほか、IT系では携帯電話向けコンテンツ配信大手のインデックス・ホールディングスが2007年2月中間連結決算は62億円の最終赤字、大手サーバーレンタルのGMOインターネットも消費者金融買収による過払い金返還への貸倒引当金によって、多額の最終赤字を強いられ、金融事業からの撤退を余儀なくされている。モバイル向けコンテンツ大手のフォーサイド・ドット・コムに至っては600億円を超える最終赤字、ビジネスモデルは完全に崩壊している。

  このように、一世を風靡した"新興勢力の雄"は、総崩れの様相をみせている。"ホリエモン・ショック"にはじまり、村上ファンド事件、相次ぐ新興ベンチャーの不祥事などによって新興市場の株価低迷にも歯止めがかからない。度重なる業績訂正や相次ぐ不正会計の発覚、反社会勢力の関与のほか、金融などの新規事業やM&A戦略の挫折によって、投資家の新興市場離れは加速する一方だ。なかでも、ポータルサイト事業を主力とするITベンチャーや小売り・外食の不振ぶりが目立つ。IT関連はコンテンツ自体の差別化が進まないうえに、「消費者金融などの大口クライアントの広告の伸びが鈍化している」(外資系証券アナリスト)ことも業績の足を引っ張り、外食などの消費関連は市場の縮小、競争激化が著しい。

  こうして、大手クラスの新興ベンチャーは明らかに大きな曲がり角を迎えている。東証の上場制度整備懇談会は、現行の制度見直しを進めているが、なかでも不振が続くマザーズ市場については、上場廃止基準の見直しやJASDAQ市場を含めた統廃合も視野に入れているという。こうした動きも、新興ベンチャーの淘汰への引き金になるかもしれない。

  今後は、新興市場の信用回復とともに、「日本発のITベンチャーが、ヤフーやグーグルのような独自性を備えたビジネスをいかに確立できるかが最大の焦点」(外資系証券アナリスト)となる。



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