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2008年3月5日
改正薬事法の施行で競合激化のドラッグストア業界

 2009年春から改正薬事法が施行される。今回の改正の目玉は、「大衆薬」の取り扱いが薬局以外でも可能になることであり、その影響として最も注目されるのが、ドラッグストア業界の覇権争いだ。

 この規制緩和によって、スーパーやホームセンターなどの新規参入が予想され、改正薬事法を契機として異業態をも巻き込んだ新たな再編劇の幕が開くことになりそうだが、地方、中小の薬局業者は取り残されていくことになる。

 薬事法は、1960年に医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品などに関する運用を定めて施行された。これまで各分野において計10回を超える改正が行われてきたが、「販売制度」に関する本格的な改正は、今回が初めてとなる。

 1999年に栄養ドリンクなどの滋養強壮剤やビタミン剤、トローチ、2004年には整腸薬、健胃薬、うがい薬などの規制緩和が行われ、すでにこれらの商品は薬局以外のコンビニ、スーパー、駅売店でも取り扱えるようになっている。そして今回、大衆薬まで商品の幅が広がることで、一気に競争激化の火ブタが切られるわけだ。

 また、現在の薬事法では、医薬品を販売できるのは「薬剤師」、もしくは「薬種商販売業者」だけだったものが、今回の改正によって新設される「登録販売業者」の資格を有している者は、かぜ薬、解熱鎮痛剤、整腸剤、ビタミン剤、消化剤などの販売が可能となる。この「登録販売業者」は、「薬種商販売業者」の資格とは異なり、大学の薬学部卒業が必須ではなくなることで取得しやすくなる。

 これらの改正で参入障壁が一段と低下することで、新規参入ラッシュは必至だ。なかでも、コンビニは新規参入に虎視眈々だという。

 そして、もうひとつ新規参入を狙う要因がある。それは、大衆薬の“高利益率”である。一般的にかぜ薬や解熱剤などの粗利益率は約5割にも達し、これがドラッグストア、薬局の隠れた収益源になってきた。つまり、新規参入業者にとっては登録販売業者の資格保有者確保によるコストの増加がある半面、大衆薬が大きな収益源として成長する可能性を秘めているわけだ。

 ドラッグストア業界では、最大手のマツモトキヨシをはじめ、ツルハホールディングス、スギ薬局、イオンのウエルシアグループによる地方の中小チェーンのM&A戦略が進んできた。しかし、「まちづくり三法」による大型店舗の出店規制もあって、さすがに新規出店ペースは鈍化しつつある。業界全体はプラス成長を維持しているとはいえ、その実態は既存店の落ち込みを新規出店でカバーしているに過ぎない。

 今回の改正薬事法によって、スーパーやコンビニなどでも大衆薬の販売が解禁されて競争が激化、さらなる寡占化が進む。大手企業の取り扱い規模が拡大すれば、真っ先に影響を受けるのは中小のドラックストアや街の薬局店であり、規制緩和の法改正によって、こうした地域小売専門業者の淘汰は避けられそうにない。


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