トピックス
2008年4月3日
円高、株安、原油高のトリプルパンチに喘ぐ中小企業

 円高・ドル安、株安、原油高が深刻さを増している。3月17日、東京外為市場で12年7ヵ月ぶりに一時1j=95円台に突入、日経平均も1万1,691円と2年7ヵ月ぶりに1万2,000円を割り込んだ。原油相場も1バレル=100jを突破、リセッション局面に入りつつある日本経済にとっては、まさにトリプルパンチである。

 円高の行方については、「米国の大幅な利下げ効果が限定されるとすれば、ドル売りがさらに進み、短期的には1j=90円突破もあり得る」(大手シンクタンク)ようで、そうであれば輸出産業に大打撃を与える。そもそも、米国にとって住宅バブル崩壊の穴埋め策は、ドル安による輸出の増加でカバーするしか手立てはないことから、「ドル安容認」が米国の本音であり、しばらくはドルの独歩安が続く公算が大きい。

 もちろん、円高は日本経済にとってマイナス一色ではない。たとえば、円高は重石になっている原材料価格高騰の悪影響を緩和し、輸入購買力を高める効果がある。さらに「外貨建てベースでは、わが国の輸入は輸出を上回っていることから円高メリットの方が大きい」(外資系証券)こともある。

 とはいえ、抵抗力がある大手企業はまだしも、市場の縮小や間断なく続く値下げ要請に苦しむ多くの中堅・中小零細企業にとっては、そのメリットを享受できる構造もなければ、その余地もないのが実状である。振り返れば、95年4月にも1j=79円台という超円高の局面があったが、今回は当時と比べても日本経済の縮小と二極化が進行、景気も下降への兆しが見えているなかでの急ピッチな円高だけに、そのダメージは図り知れない。

 また、今回のサブプライムローン問題がくしくも日本経済の歪み、脆弱さを露呈させ、日本固有の問題を白日の下にさらしてしまったことも見逃せない。つまり、サブプライムローンや原油高、円高はあくまで引き金にすぎず、根底には低成長経済、財政難、人口の減少、そして政治不安といったドメスティックな要因が潜んでいるわけだ。

 なにしろ、日本経済には悪材料が積み上がり続けている。原油高、円高、株安、米国景気の減速、限界に達しているリストラ、個人消費の衰退、政局不安、建設、卸・小売などの内需型産業の地盤沈下、倒産の増加・・・と枚挙に暇がない。さらに、これまで景気を牽引してきた輸出産業と不動産セクターが、「円高」と都心の局地的な「不動産バブルの崩壊」によって一気に減速モードに入ってきた。このままでは景気の減速を引き金として、サラリーマンの給与はさらに下がり、個人消費のさらなる落ち込みが企業収益の悪化を招くという“負の連鎖”が進行してしまう。これに生活用品の値上げラッシュが追い打ちをかける。案の定、インフレ懸念が台頭、さらにはスタグフレーション(景気停滞期における物価上昇)という最悪のシナリオさえ囁かれはじめているのも頷ける。


このサイトについて  サイト利用規定  プライバシーポリシー  免責事項  サイトマップ
Copyright (c) 2002- TEIKOKU DATABANK, LTD. all rights reserved.