トピックス
2008年6月4日
ガソリンスタンド淘汰を加速させる
暫定税率を巡る混乱

 暫定税率延長の再可決による「ガソリン税復活」で、ガソリンスタンド業界が窮地に追い込まれている。

 全国4万4000店のうち、「約7割が赤字」(業界関係者)といわれるガソリンスタンドだが、ここ数年はガソリン価格高騰がユーザーの買い控えを招き、同業者間の競合激化にも歯止めがかからない。そこで、サービスステーションのセルフ化や店舗の統廃合などのコスト削減とともに、「インターネットによる中古車やタイヤの販売のほか、車検や廃車・事故車の買い取りなど本業外の商売で、何とか食いつないでいる」(中小業者)のが実状だという。

 そうしたところへの暫定税率の期限切れに伴う4月からの「値下げ」合戦。「暫定税率が上乗せされたままの在庫を抱えていたことで、赤字覚悟の値下げだった」(中堅業者)ことや、値下げ幅が25円程度であるのに対して実際の卸価格は20円程度しか下がらなかったことで、多くのガソリンスタンドは体力の疲弊を加速させた。

 そして一転、5月からのガソリン税復活である。「4月の値下げによって、消費者がガソリン価格に敏感になった」(業界関係者)という。そうであれば、今回のガソリン税復活による「値上げ」は需要の減少に拍車をかけ、多くのスタンドにとっては致命傷となる。それでなくても、6月からは1g=170円台の高値安定が予想されるとともに、「いまだ卸価格に転嫁できていない分もある」(石油元売り業者)だけに、さらなる値上げ、需要の減退という悪循環に陥る公算が大きい。

 そもそも、オーバープレイヤー状態がいっこうに解消されていないガソリンスタンド業界。今回のガソリン税を巡る混乱がダメを押す形で、一説には「将来的に2万店程度まで半減する」ともいわれる。多くのスタンドの廃業、倒産はもはや避けられないだろう。

 ちなみに、2007年度(2007年4月―2008年3月)のガソリンスタンドの倒産は51件、前年度比82.1%の大幅な増加を見せている。3月には山カ石油(愛知県知多郡、負債約80億円)という大型倒産が発生、その後も全国レベルで倒産・廃業が散発している。ガソリンスタンドを巡る信用不安情報が相次いでいることからも、今年度の倒産件数は昨年を上回るペースで推移しそうだ。今後は、体力に乏しい中小は厳しい淘汰の波にさらされることになる。


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