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2008年8月5日
再燃する上場企業の倒産ラッシュ

 ここにきて、上場企業の倒産ラッシュが続いている。6月に「スルガコーポレーション」、7月に入ってからは「真柄建設」を皮切りに、元・大証ヘラクレスの「エー・エス・アイ」(旧アスキーソリューションズ)、マンションデベロッパーの「ゼファー」、不動産関連の「キョーエイ産業」、中堅ゼネコン「三平建設」と立て続けに5週連続で上場企業の倒産が発生。これで2008年はすでに11社に達し、2004年以来4年ぶりの2ケタ台、戦後最悪を記録した2002年に次ぐペースで推移している。

 振り返れば、上場企業の倒産は2002年の29社をピークに、その後は2004年12社、2005年7社、2006年2社と減少の一途を辿ってきた。その間に、景気は回復、銀行の不良債権問題も峠を越えたことで、上場企業の倒産は急速に沈静化した。産業再生機構に代表されるように、企業処理の手法の「破綻」から「再生」へのシフトが進んだこともあった。

 ところが、昨年後半あたりから再び増加の兆しを見せ始め、中堅消費者金融のクレディア、みらい建設グループ、ノヴァなど9月以降だけで4社が倒産。今年に入っても、5月までに不動産関連の「グレース」「レイコフ」、ソフト開発の「ニイウスコー」、アミューズメント施設経営の「アリサカ」、麻紡績メーカーの「トスコ」が倒産に至っている。

 最近の上場企業の倒産のキーワードとしては、建設、不動産、金融、そして新興ベンチャーが挙げられる。公共事業の縮小や改正建築基準法などで窮地に追い込まれているゼネコン、サブプライムローン問題に端を発した外資マネーの引き揚げや銀行の融資引き締めで資金繰りが悪化、軒並み株価の下落に見舞われている不動産セクター、そして消費者金融は改正貸金業法の直撃を受けている。また、アリサカやニイウスコーのように粉飾、不正会計というコンプライアンス違反関連も目立つ。

 産業構造の変革と市場の縮小によって本業の不振に喘ぎ、存亡の危機に立たされているかつての業界トップクラスの企業もある。さらに、消費不振と国内マーケットの縮小に直面している流通とともに、新興ベンチャーも株価低迷とビジネスモデルの頓挫が顕著になりつつあり、倒産予備軍は数多く点在している。

 いうまでもなく、長らく護送船団的に守られてきた末のオーバープレイヤー状態からの脱却こそが急務であり、全てのセクターにおいていかに過剰プレイヤーを減らしていくかが、最大のテーマといえる。もちろん、全てが倒産処理されるわけではなく、統合・合併や会社分割、持ち株会社、債権放棄など、あらゆる手段を駆使しながらの複数の企業統合もひとつの選択肢ではある。しかし、そうしたスキームから落ちこぼれた結果、倒産処理の憂き目に遭う上場企業の続出は避けられない。いずれにしても、こうした構造的な問題が解決されるまで、上場企業の倒産は増勢傾向を強めていくことになりそうだ。


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