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2008年9月3日
新会計基準導入で再編が加速するリース業界

 リースの取扱高の減少に歯止めがかからない。リース事業協会によると、リース取扱高はすでに13ヵ月連続でマイナスを記録している。

 こうした”リース離れ”の背景にあるのが、2009年3月期からスタートしたリース会計基準の変更である。従来の会計基準では、ユーザーはリースを貸借対照表の「資産・負債」に計上しなくて済む例外規定があったが、今期からはリース資産・負債への計上が義務付けられる。国際会計基準に揃えた格好だ。但し、1件あたり300万円以下、契約期間が1年以下のリース物件については引き続き簿外処理が認められ、中小企業は従来通りの会計基準が継続される。

 いずれにしても、今回の会計基準の変更によって顧客である大手企業は、設備について「自社購入」と「リース」とのコストを比較せざるを得なくなる。これまで企業がリースを利用してきたのは、貸借対照表への計上が免除され、リース料全額を損金として算入できるメリットがあったからである。ところが、資産計上が義務付けられれば、減価償却費が発生してしまう。リース設備が会計上では「購入」扱いになることで、自己資本比率やROA(総資産利益率)などの財務指標のマイナス要因となる。さらに、資産額が膨らむうえに事務コストもかかることで、損益計算書にも影響を及ぼす。リースの会計上のメリットは大きく後退するわけだ。

 実は、2007年度の税制改正で税務面におけるリースのメリットも薄れている。改正によって、損金算入できる減価償却の限度額が100%に引き上げられたことで、すでにリースの優位性は低下しているのだ。

 それでなくても、非製造業や中小企業の設備投資の落ち込み、資産原価の上昇、倒産増加による貸し倒れコストの増大など、業界環境は厳しさを増している。そうしたところへの今回の会計基準変更によるリース利用の抑制は、業界にとって大きな逆風になることは間違いない。

 リース業界を取り巻く環境が激変をみせるなか、すでに大手の合従連衡が始まっている。2007年には、ダイヤモンドリースとUFJセントラルリースの経営統合によって「三菱UFJリース」、住商リースによる三井住友銀リースの吸収合併で「三井住友ファイナンス&リース」など、ガリバー企業が相次いで誕生。そのほかでも、協同リースと三井リース事業の共同持ち株会社による経営統合(JA三井リース)や、大手のオリックスもクレジットカード大手のクレディセゾンとの経営統合交渉をスタートさせるなど、再編への動きが活発化している。

 今後は、大手クラスの動きとともに、中小クラスの地域金融機関系、独立系の動向にも目が離せない。


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