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2008年10月3日
"リーマン・ショック"による日本経済への影響は

 9月15日、米証券大手のリーマン・ブラザーズが連邦破産法11条の適用を申請した。16日には日本法人のリーマン・ブラザーズ証券も東京地裁へ民事再生法を申請、”リーマン・ショック”が駆け巡った。その後も、経営危機に陥った米保険最大手AIGが米政府に救済され、モルガン・スタンレー、メリルリンチの危機説も浮上、再編の渦に巻き込まれるなど、連鎖的な金融不安が世界中を覆い尽くしている。

 ところで、今回のリーマン破綻による日本経済への影響だが、国内金融機関に対するダメージは限定的であり、当面は10年前のような金融破綻ラッシュは回避できそうだ。

 とはいっても、そのダメージはリセッション局面に突入している日本経済にとって決して小さいものではない。急激な株安と円高によって日本企業の収益にブレーキがかかるとともに、金融機関への間接的な影響も見逃せない。

 というのも、リーマンの破綻は銀行にとっては極めて悪いタイミングだったからである。大手銀行は、9月中間期の自己資本比率を算出する際に9月段階の保有株式の平均株価を反映させるが、リーマン破綻に端を発した一連の金融の混乱はその9月中間決算を控えた時期であり、9月に日経平均株価が想定以上に下落したことで、銀行の含み益は大きく減少する。

 そうなれば、銀行は貸倒引当金の積み増しなどの信用コストに当てる原資が枯渇、経営が圧迫されることで融資を絞り込む可能性がある。それでなくても、景気悪化による資金需要の減退に歯止めがかからず、倒産の増加ペースは加速している。建設、卸・小売、サービスといった内需型を主流に中小零細、地場企業の挫折が相次ぎ、新興デベロッパーの倒産ラッシュも加わって不良債権は積み上がっている。なかでも、体力が脆弱な地域金融機関は融資スタンスを引き締めざるを得ず、中小零細企業に対する貸し渋りの懸念が募る。

 数少ないプラス材料とされるのが、世界経済の減速による需要の減退や投資マネーの逆流によって原油など原材料相場が下落、コスト上昇や物価上昇に歯止めがかかることである。ところが、「不況の加速が、需要の減退や値上げ交渉の難航を招き、中小下請けにとってはマイナス面のほうが大きい」(中堅メーカー)との見方が大勢を占める。世界同時不況への懸念や米国の景気悪化とともに、中国をはじめとする新興国も減速モードに入りつつあり、外需頼みの日本の産業界はさらなるダメージの拡大も予想される。

 いずれにしても、国内では金融パニックこそ回避できそうだが、世界的な信用収縮や不況感の蔓延も相まって、今回のリーマン破綻はジワジワと日本企業に影響を及ぼすことになりそうだ。


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