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2009年1月8日
2009年も上場企業の倒産ラッシュは必至

 2008年の上場企業の倒産が34社(上場廃止後のエー・エス・アイを含む)に達し、2002年の29社を抜いて戦後最悪を記録した。

 上場企業の倒産は2002年をピークに、過剰債務の解消や企業処理の手法が「破綻」から「再生」へのシフトが進んだことで、その後は減少の一途を辿ってきた。2003年20社、2004年12社、2005年8社と沈静化傾向が続き、その規模も新興市場銘柄が大半を占めた。ところが、2008年に入ってから急増。2008年9月は7社と、単月ベースではニコニコ堂や第一家電などが倒産した2002年4月の6社を抜いて戦後最多を更新した。10月は8社とさらに増加、さながら”上場倒産ラッシュ”の様相を見せた。

 昨年の上場企業倒産の最大の特徴は、34社のうち新興デベロッパーなどの建設・不動産関連が25社を占めたことである。新興デベロッパーの倒産ラッシュの背景には、サブプライム問題によって2007年秋以降、不動産・ファンドの有力な買い手だった外資マネーが止まったことがある。さらに、国内の金融機関も不動産セクターへの融資を急速に絞り込んだ。私募不動産ファンド運用会社やファンドへの転売で稼いできた新興デベロッパーは軒並み資金繰りに窮し、株式市場では株の投げ売りにさらされた。SPC(特別目的会社)やファンドを駆使して債権を小口化、証券化して投資家へ売る「証券化バブル」の崩壊でもあっただけに、サブプライム同様、瞬く間に破綻に追い込まれていったわけだ。

 また、上場企業の倒産34社中19社が「黒字倒産」であり、21社が「営業CFの赤字」だったことも見逃せない。黒字倒産や営業CFの赤字企業の多くが不動産関連であり、自転車操業的な経営とともに、完成在庫の急増と急速な資金繰りの悪化ぶりを如実に物語る。

 今後の見通しだが、2008年に戦後最悪を記録したとはいえ、その内訳を見ると前述のようにアーバンコーポレイションや新井組などの建設・不動産とともに、ニイウスコーやアリサカなどの粉飾、不正会計絡みの倒産に集中している。消費不振と国内マーケットの縮小に直面する流通・サービス、新興ベンチャーもビジネスモデルの頓挫と財務リスクの拡大が顕著になり、円高の直撃を受ける中堅メーカーなど、不動産以外でも倒産予備軍は枚挙に暇がない。また、”イエローカード”ともいえるゴーイングコンサーン(企業継続を前提)に疑義が注記されている上場企業は、100社を超える。

 不動産流動化を主業とする新興デベロッパーも、いまだ最終処理が先送りされている案件は数多く、今年も断続的に破綻が続くとみられる。さらに、昨年末に民事再生法を申請したダイア建設にみられるマンション分譲専業の挫折や、デベロッパーへの焦げ付きが破綻のトリガーに直結するゼネコンへの波及も避けられないだろう。

 2009年の上場企業倒産は、業種的にさらに広がりをみせ、社数の増加ペースも加速することになりそうだ。


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