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2009年3月4日
口火が切られた製造業の倒産ラッシュ

 製造業で倒産ラッシュの兆しが見えてきた。国内市場の縮小に加えて頼みの外需の急減速、円高によって大手メーカーは相次いで巨額にのぼる赤字を発表。それを受けて、トヨタ自動車や日産自動車など大手の自動車、電機メーカーは一斉に減産、工場休止に踏み切っている。

 そうした動きが、自動車、電機セクターの2次、3次下請けを直撃、中堅・中小メーカーを中心とした「メーカー減産関連倒産」が頻発し始めている。ちなみに、2009年1月の製造業の倒産は168件、前年同月比52.7%の大幅な増加となった。

 半導体関連を中心に、自動車部品加工、合成樹脂部品加工などの中小零細業者のほか、JASDAQ上場の半導体洗浄装置メーカーのエス・イー・エス(負債142億7300万円)、フィルム加工メーカーのタック化成(同240億3400万円)、液晶カラーフィルターのアンデス電気(同197億700万円)、半導体メーカーのSpansion Japan(同741億円)、金型業界の有力ベンチャーだったインクス(同約169億300万円)などの大型倒産も発生している。

 抵抗力のある大手はまだしも、間断なく続く値下げ要請に苦しんできた多くの中堅・中小零細メーカーにとって、製造業を取り巻く今回の逆風はまさに致命傷となる。「受注がピークの10分の1まで落ち込んだ」(半導体関連下請け)、「とうとう週休5日になってしまった」(中小自動車部品)など、中小零細の惨状ぶりは想像を絶するものがある。そのほかでも、「某大手メーカーから、在庫の押し付けを強要された」というにわかには信じ難い“下請けいじめ”も横行しているという。新興市場でも、業績が急降下している半導体、自動車関連の上場中堅メーカーは驚くほど多い。

 これまでの倒産事例を見ると、受注が激減した昨年の秋以前から赤字決算が続き、不採算事業からの撤退や人員削減などリストラを進めたものの、今回の受注激減がダメ押しとなったところが目立つ。しかし、今年に入って受注キャンセルが相次ぐなかで資金繰りに詰まって倒産するケースも散見されはじめ、そうした意味からも倒産ラッシュはこれから本番を迎える。

 ところで、資金繰り対策として打ち出された事業会社への公的資金注入制度だが、その候補として日産自動車やいすゞ自動車、三菱自動車、エルピーダメモリなどが挙がっている。しかし、公的資金の恩恵は結果として大手企業に集中、多くの中堅・中小に対しては救済の手は差し延べられそうもない。このように、わが国の産業基盤の裾野を成す中小零細製造業はかつてない崩壊の危機に瀕している。

 いうまでもなく、製造業は裾野が広いだけにその破綻ラッシュは地方経済、雇用に大きなダメージを及ぼす。地域的には自動車、電機の生産拠点が集中する東北、東海、九州への影響が懸念される。


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