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2009年4月3日
やってくるか、5月危機

 政府・日銀による必死の資金繰り支援策が奏功して、とりあえず大手メーカーは年度末を乗り切った。次は5月危機だと一部で囁かれ始めている。

 急激な業績悪化を受けて、信用格付けの高い大手メーカーは今年に入って相次いで大型社債を発行した。しかし、トリプルB以下の信用格付けの低い会社は社債やコマーシャルペーパーでの資金調達はできない。大・中堅企業の資金繰り対策として、政府は日本政策投資銀行を通じて中長期の融資を行ってきた。3月末で融資枠1兆円を使い切り、政府・与党は10兆円に増枠する方向で検討に入ったという。

 では5月危機とは何か。5月は3月決算の上場企業の決算発表が集中する。そこで破たんする企業が続出しそうなのだ。引き金を引くのが監査法人で、真っ先にヤリ玉に挙げられそうなのが生き残っている新興の不動産デベロッパー。今回の決算発表から棚卸資産の低価法の強制適用が始まる。地価下落でデベロッパーが抱える土地は大幅な含み損を抱えていると見られ、これらを時価に引き直せば債務超過に陥るところが続出する。シンジケートローン(協調融資)で資金調達している場合、「債務超過に陥ったらロールオーバー(借り換え)に応じられない」というような財務制限条項をつけられているから、債務超過転落がすぐに倒産に結びつきかねない。

 それよりも問題なのは、“3月末は乗り切った”大手メーカーだろう。株価や財務制限条項を意識して少しでも損失を先送りさせるために不適切な会計処理をしていたら、監査法人から厳しく指摘されることになる。04年の公認会計士法改正以降、不適切な会計処理の発覚は急増している。実際、08年度の上場企業の倒産45社のうち、8社が監査人の辞任や監査意見不表明が引き金になった。「風評が悪い企業の駆け込み寺」(金融機関)と揶揄されたウィングパートナーズが3月、売り上げの期間帰属の妥当性、資産の評価および減損など会計上の見積もりに関する監査手続きが不十分だとして、金融庁から1年間の新規契約の停止と業務改善命令を受けた。監査意見が得られないからと言って、安易に監査法人をすげ替えることも難しくなっている。

 果たして5月危機はやってくるのだろうか。


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