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2010年2月3日
相次ぐ百貨店の閉鎖

 そごう・西武の西武有楽町店、阪急阪神百貨店の四条河原町店が相次いで年内の閉店を発表した。ほかにも北陸地盤の大和が新潟県内4店舗の閉鎖を決め、三越も池袋店を昨年閉鎖した。先日発表された2009年の全国百貨店売上高(日本百貨店協会調べ)は前年比10.1%減(既存店ベース)の6兆5842億円と12年連続のマイナスとなり、1983年以来26年ぶりの低水準に落ち込んだ。

 インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」によると、百貨店は世界では1852年のパリに織物類を扱う店舗から発展したボン・マルシェ百貨店から、わが国では1904年の三越から始まったとされ、70年代まで小売業の中心にあった。しかし、その後は大手スーパーや家電量販店など専門量販店に押され、存在感が薄れてゆく。前回の不況時にもそごうグループが破たん、その後は再編が相次ぎ、今や三越伊勢丹グループ、セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武、大丸、松阪屋のJフロントリテイリングと、11年春に高島屋が合流する阪神、阪急のエイチ・ツー・オーリテイリングの4グループになる。

 百貨店が不振なのは近年のデフレや大手スーパーなどに客を奪われたからだけではない。百貨店自体に消費者が魅力を感じなくなったからだ。中高年の誰もが百貨店と聞くと思い出すのが食堂や屋上の遊園地だったり、モノが少ない時代に店内にあふれる贅沢品だったはずだ。当時の百貨店に消費者が求めていたものは単なる小売店ではなく、「ハレ」を演出する舞台であり、都心のテーマパークだったのではないか。近年の百貨店の多くは、そこを勘違いして海外ブランドショップのテナント業に成り下がった。結果、百貨店が小売業としての唯一のレゾンデートル(存在価値)であるはずのバイヤーの力を弱めてしまった。このままではさらなる店舗の閉鎖、再々編も避けられそうにない。

 もう一度復活を目指すにはどうすればいいか。まずは百貨店ブランドを目一杯利用することだ。たとえば家計消費の4割強をサービス支出が占めるのだから、美容などサービスを新規事業として立ち上げて既存店舗に出店してはどうか。小売り部門ならバイヤーの目利きをもう一度復活させ、どこにもある海外ブランド品に替えて無名だけれども質やデザインのよい商品を並べることも重要だろう。そして何より、ホスピタリティに磨きをかけて週に1回は来たいと思わせる店にすることだ。今の目の肥えた消費者に小手先のマーケティングは通用しない。だからこそ思い切った改革が必要なのだ。


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