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2022年6月の景気動向調査

人流の増加で対面型サービスが改善も、製造業が停滞

2022年07月05日
景気動向調査
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■調査結果のポイント

  1. 2022年6月の景気DIは前月比0.2ポイント増の41.4となり、4カ月連続で改善した。国内景気はプラスとマイナスの要因が交錯するなか、業種・地域間で景況感の方向性が分かれ、4カ月連続で改善するも小幅な変動にとどまった。今後の景気は、物価上昇の勢いが懸念材料ながらも、緩やかに上向いていくとみられる。

  2. 4業界が改善、5業界が悪化した。新型コロナウイルスの感染が落ち着き、人流が復調するなか対面型サービスを中心に上向いた。他方、サプライチェーンで部品の調達難が継続し、自動車産業を中心とした生産活動の停滞や、原材料価格の高騰が下押し要因となった。

  3. 10地域中5地域が改善、4地域が悪化、1地域が横ばい。大手自動車メーカーの減産や部品調達の困難化が関連業種の景況感を下押しした一方で、一部地域では前倒し需要が好材料となるなど、地域間の景況感の格差が再び拡大した。規模別では「中小企業」と「小規模企業」の景況感が改善、「大企業」は横ばいとなった

  4. < 2022年6月の動向 : 小幅な改善 >
    2022年6月の景気DIは前月比0.2ポイント増の41.4となり、4カ月連続で改善した。


    6月の国内景気は、新型コロナウイルスの感染が落ち着き、人流が戻りつつあるなかで、業種や地域により景況感の改善・悪化が分かれる形で推移した。プラス要因としては、「コロナ感染者数が減少し、徐々にではあるが業績が回復しつつある」(旅館)などの声にあるように、各種イベントの再開や県民割の広がりなど対面型サービスの復調がみられた。一方マイナス要因としては、部品の調達難などで、特に自動車産業を中心として生産活動の停滞が続いた。原材料高に円安が加わるなかで、相次ぐ値上げは消費者心理を下押しする要因となった。


    国内景気は、プラスとマイナス要因が交錯するなか、業種・地域間で景況感の方向性が分かれ、4カ月連続で改善するも小幅な変動にとどまった。


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    < 今後の見通し : 物価上昇が懸念材料も緩やかに上向く >
    今後1年間程度の国内景気は、ロシア・ウクライナ情勢の行方や円安の進行、原油・原材料価格の高止まり、海外経済動向など、不透明な外部環境のなかで推移するとみられる。特に、コスト増加にともなう企業の収益力の低下は懸念材料となろう。他方、新型コロナの感染状況次第ながら、GoToキャンペーンなどの需要喚起策や、2021年度補正予算の執行、物価高対策、外国人観光客の受け入れ再開などの経済政策はプラス材料となる。個人消費の回復や自動車の挽回生産などが今後の景気を上向かせるカギになると見込まれる。


    今後の景気は、物価上昇の勢いが懸念材料ながらも、緩やかに上向いていくとみられる。


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    業界別:『サービス』など4業界が改善も、『製造』は生産の停滞が続く
    • 4業界が改善、5業界が悪化した。新型コロナウイルスの感染が落ち着き、人流が復調するなか対面型サービスを中心に上向いた。他方、サプライチェーンで部品の調達難が継続し、自動車産業を中心とした生産活動の停滞や、原材料価格の高騰が下押し要因となった。

    • 『サービス』(45.9)…前月比1.1ポイント増。4カ月連続で改善。新型コロナウイルスの感染が落ち着き、人流が増加するなか「飲食店」(同3.7ポイント増)や「旅館・ホテル」(同0.3ポイント増)が4カ月連続で改善。「観光客の増加で、ホテルや観光関連業者が活発になっている」(ビルメンテナンス)など「メンテナンス・警備・検査」(同1.7ポイント増)や、自動車賃貸が含まれる「リース・賃貸」(同1.6ポイント増)などの業種にも好影響が波及した。一方、「自動車関係のメーカーが休業を実施する可能性が高い」(労働者派遣)など「人材派遣・紹介」(同1.9ポイント減)は、4カ月ぶりに悪化した。

    • 『不動産』(45.9)…同1.2ポイント増。4カ月連続で改善。「品薄で不動産販売価格が下がらない」(建物売買)など、建物売買が堅調に推移した。また、「円安により海外資本が不動産投資に流れてきて、さらなる投資が増えると見込んでいる」(不動産代理・仲介)といった声もあがった。一方、ウェブ会議が浸透するなか「貸し会議室の稼働が2019年の水準に戻り切っていない」(不動産賃貸)など、厳しい声も聞かれた。

    • 『製造』(40.8)…同0.2ポイント減。2カ月連続で悪化。自動車部品などを製造する「輸送用機械・器具製造」(同0.8ポイント減)、「化学品製造」(同0.6ポイント減)は3カ月連続で悪化。企業からは「半導体不足に加えて、上海ロックダウン・韓国ストライキなど部品供給の停滞も拍車をかけ、メーカーからの受注が大きく落ち込んでいる」(工業用ゴム製品製造)、「タイムラグをともなって上海ロックダウンの影響がでている」(金属プレス製品製造)といった声が聞かれ、サプライチェーンの混乱による影響が続いている。また、原材料価格の高騰が続くなか、『製造』の仕入単価DIは78.6(同0.3ポイント増)、販売単価DIも60.9(同0.7ポイント増)となり、高水準での推移が継続した。

    • 『運輸・倉庫』(37.1)…同0.1ポイント減。3カ月ぶりに悪化。軽油など燃料価格が再び上昇傾向となり、『運輸・倉庫』の仕入単価DIも73.6(同1.2ポイント増)と3カ月ぶりの上昇に転じた。また、「業界全体で経費による利益圧迫が進んでおり、非常に厳しい。燃料、アドブルー、油脂、タイヤなどが上昇し、運賃が低い一方で利益に貢献する項目が何一つない」(一般貨物自動車運送)など、燃料以外の経費の上昇も響いた。一方、「新型コロナウイルスも落ち着き、旅行に対する需要喚起施策も発表されつつあり、バスの稼働が増えてきた」(一般貸切旅客運送)など、観光関連の業種で前向きな声も聞かれた。

    規模別:「中小企業」と「小規模企業」が改善、いずれの規模も小幅な動き
    • 「中小企業」と「小規模企業」の景況感が改善、「大企業」は横ばいとなった。人流の増加で店舗への来客数や観光関連が上向いた一方、価格転嫁の濃淡が明暗を分けた。

    • 「大企業」(43.5)…前月比横ばい。観光客の増加により「娯楽サービス」や「旅館・ホテル」など観光関連の追い風となった。一方、「製造原価の大部分を占める飼料費が高騰」(養鶏)など、コスト増による負担拡大が下押し要因だった。

    • 「中小企業」(41.0)…同0.3ポイント増。4カ月連続で改善。店舗への来客数が増加するなか、「戸建て需要が落ちない」(建物売買)といった声も聞かれた『不動産』が上向いた。一方で、燃料費の高騰分の価格転嫁が難しい『運輸・倉庫』は3カ月ぶりに悪化へ転じた。

    • 「小規模企業」(40.0)…同0.5ポイント増。4カ月連続で改善し、6カ月ぶりに40台を回復した。「中古マンション購入後のリフォーム依頼が増加」(内装工事)など『建設』が堅調だったほか、「飲食店」や「娯楽サービス」など対面型サービスが上向いた。
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    地域別:10地域中5地域が改善するも、地域間格差が再び拡大
    • 『中国』『北関東』など10地域中5地域が改善、『東海』など4地域が悪化、『近畿』が横ばい。大手自動車メーカーの減産や部品調達の困難化が関連業種の景況感を下押しした一方で、一部地域では前倒し需要が好材料となるなど、地域間の景況感の格差が再び拡大した。

    • 『中国』(41.1)…前月比0.5ポイント増。2カ月連続で改善。「鳥取」「島根」「広島」が改善した一方、「山口」が悪化、「岡山」が横ばい。原材料費上昇でコスト負担が高まるなか、「生産がフル稼働」(ガラス・同製品製造)などの声もあり、『製造』が全体を押し上げた。

    • 『北関東』(42.6)…同0.5ポイント増。3カ月連続で改善。域内5県中4県が改善した。資材価格が上昇するなか木造建築で駆け込み需要が発生するなど『建設』が上向いた。一方『製造』は部材の納期延期などの影響もあり2カ月連続で悪化した。

    • 『東海』(39.5)…同0.6ポイント減。2カ月連続で悪化し、4カ月ぶりに40を下回った。大きく落ち込んだ「三重」を含め域内4県中3県が悪化した。大手自動車メーカーの減産などの影響が関連する業種へ波及した。
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    今月のポイント(1)『製造』の生産・出荷、在庫、設備稼働の動向

    • 半導体不足や上海でのロックダウンの影響を受け、サプライチェーンの混乱が継続。
    • 特に、「輸送用機械・器具製造」や「化学品製造」などの自動車部品関連の企業で生産活動が停滞。
    • 『製造』の生産・出荷量DI、設備稼働率DIは50を下回る水準で推移する一方、在庫DIは上昇傾向。
    • 自動車の減産による影響は、『製造』や『卸売』だけでなく、『小売』や『サービス』など他業界にも波及している。
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    今月のポイント(2)原材料価格の高騰、価格転嫁の動向

    • 仕入単価DIは74.5(前月比0.7ポイント増)、販売単価DIは60.0(同0.7ポイント増)となり、ともに2002年5月の調査開始以降で最高水準を更新。
    • 仕入単価DIは、段ボール箱製造などの「パルプ・紙・紙加工品製造」がトップ。ガソリンスタンドなど「専門商品小売」も上位。6業界29業種で過去最高水準。
    • 販売単価DIは、石油卸売などの「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」がトップ。「専門商品小売」も70を超える高水準。6業界25業種で過去最高水準。

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    【調査先企業の属性】

    1.調査対象(2万5,405社、有効回答1万1,337社、回答率44.6%)

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    2.調査事項

    ・景況感(現在)および先行きに対する見通し
    ・経営状況(売り上げ、生産・出荷量、仕入れ単価・販売単価、在庫、設備稼働率、従業員数、時間外労働時間、雇用過不足、設備投資意欲)および金融機関の融資姿勢について

    3.調査時期・方法

    2022年6月17日~6月30日(インターネット調査)

    【景気動向指数(景気DI)について】

    ■TDB景気動向調査の目的および調査項目
    全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万5千社以上を対象に実施している月次統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

    ■調査先企業の選定
    全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

    ■DI算出方法
    DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ以下の点数を与え、これらを各選択区分の回答数に乗じて算出している。

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    景気DIは、50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる(小数点第2位を四捨五入)。また、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」で算出している。

    ■企業規模区分
    企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に中小企業基本法に準拠し、全国売上高ランキングデータを加え下記の通り区分している。
    2021110406.png
    ■景気予測DI
    景気DIの先行きを予測する指標。ARIMAモデルに、経済統計やTDB景気動向調査の「売り上げDI」、「設備投資意欲DI」、「先行き見通しDI」などを加えたstructural ARIMAモデルで分析し、景気予測DIを算出している。


    【内容に関する問い合わせ先 】
    株式会社帝国データバンク 情報統括部
    担当:窪田、池田、杉原、石井
    TEL:03-5919-9343
    E-mail:keiki@mail.tdb.co.jp
    リリース資料以外の集計・分析については、お問い合わせ下さい(一部有料の場合もございます)。

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