2005年1月の景気動向調査
景気DIは42.3、6カ月連続で悪化
2005年1月の景気動向指数(景気DI:0~100、50ポイントが判断の分かれ目)は42.3となり、前月比0.4ポイント減と2004年8月以降6カ月連続して悪化した。2004年11月(43.5)に直近の最低水準(2004年6月=43.7)を下回ったことで足元経済の減速局面入りが示されたが、今年に入ってもその傾向に変化がないことが裏付けられた。
2004年7月をピークに景気DIが悪化傾向をたどっているのは、デジタル景気の調整に伴う電機・機械業界を中心とした景況マインド悪化により、全体の景況感が押し下げられていることが背景にある。
実際、業種別DIをみると「電気機械製造」は2004年7月のピーク時比9.3ポイント減、「家電・情報機器小売」は同6.3ポイント減と、全体の景気DI差(同3.1ポイント減)を大幅に上回る悪化幅となっている(2頁参照)。また、「春までは大手電機メーカーの在庫調整続く」(プリント回路製造、茨城県)、「液晶・PDP・デジカメなどの材料メーカーが設備投資に慎重になってきた」(工業用電炉製造、兵庫県)など、調整局面にある業界の実態を指摘する企業も多かった。
加えて、「鋼材価格の高騰を製品単価に転嫁できないばかりか、過去経験したことのない入手難が続いている」(金物製造、東京都)との声に見られるように、活況な中国需要を背景に先行して景況感が改善してきた鉄鋼・化学の関連業界でも、原油価格の高止まりや需給ひっ迫の影響で景気DIは弱含みとなっており、全体の景気DIを悪化させる一因となった。
今後については、1月下旬以降に大手電機メーカーを中心に業績の下方修正が相次いでいるうえ、内閣府発表の11月の景気動向指数で景気の先行きを示す先行指数が3カ月連続で50%を割るなど、企業業績やデジタル景気への不透明感は依然として払拭されていない。また、来年度以降の公共事業費削減に伴う業界間や地域間、規模間での景況感格差の拡大など構造的な問題は依然として解消されず、バーゲンなどの季節的要因で前月より改善した小売業界でも、定率減税の段階的廃止による消費減退懸念を抱えている。政府が円高進行への警戒感を示すなど、為替や原油価格の動向も引き続き不安要素となっている。
ただし、先行き見通しDIは2004年4月以来9カ月ぶりに3カ月後、6カ月後、1年後すべてで改善し、金融をはじめ堅調な景況感を維持している業種も多いことから、今後、景況感が悪化の一途をたどるとは考えにくく、しばらくはデジタル景気の動向を注視しながら現水準での推移が続くものと思われる。