思い出のランドセルに

2012年01月11日

先日、買い物に行った際、ランドセル売り場を見かけた。1年経つのは早いと思うとともに懐かしい気持ちが蘇ってきた。自分がランドセルを買ってもらった日の事を20年近く経った今でも覚えている。そして、毎日ランドセルを背負って登校した6年間の思い出も。ランドセルほど長く使用した鞄はなかったかもしれない。


ランドセルが通学用鞄として用いられるようになったのは明治時代になってからだそうだ。はじめは背のうを元にした物が使われるようになり、背のうがオランダ語で「ランセル」と呼ばれていたことから、「ランドセル」という言葉が生まれた。その後、背負うことによって体の負担が軽減できる、両手が自由に使える、丈夫であるなどの理由から、小学生用として広く普及してきた。最近では赤・黒だけでなくカラフルなものや個性的な形のものなど、多様な製品が開発されている。


そんなランドセルを思い出とともにしまっておくこともできるが、活用する道もある。使用済みのランドセルをアフガニスタンやモンゴルの子どもたちへ贈る「ランドセルは海を越えて」キャンペーンが1月9日から受付をスタートした。また、「想い出のランドセルギフト」として、使われなくなったランドセルをアフガニスタンに寄贈し、特に教育の機会に恵まれない女の子の就学に役立てる活動もある。子どもたちが学校で学び、読み書きができるようになることで、自分や家族の健康を守る知識や情報を身につけられるようになることを目指している。こちらは3月から受付を開始するそうだ。


昨年は震災後ボランティア活動が活発化するなど支援の輪が広がり、人との繋がりや思いやりがクローズアップされた1年でもあった。震災への関心が風化することの懸念もあったが、2012年に入っても被災地支援は続いている。日常の忙しさにかまけて忘れてしまうことのないよう、今年も人との繋がりを大切に、思いやりを持った行動をしようと思う。

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