日本の競争力後退

国境を超えた経済活動が活発に行われるなか、日本でも国際競争力の強化が課題とされることが少なくない。代表的な国際競争力ランキングは3つある。第一は、スイスに本部を置くシンクタンク、世界経済フォーラム(WEF)によるランキングである。第二は、同じくスイスにあるビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が公表するランキング、そして第三は、世界銀行(WB)によるビジネス環境ランキングである。


9月28日、WEFは世界の政財界首脳が集う「ダボス会議」で2016年の国際競争力ランキングを発表し、日本の競争力は8位に後退した[1]。技術革新力や高等教育の質などの評価が下がったことが、全体の足を引っ張る要因となっている。


5月にIMDが公表した2016年の世界競争力調査[2]では、日本は26位となっている。「景気動向」「政府の効率性」「経営効率」「インフラ」の4つの主要項目について340を超える項目を評価しているが、「景気動向」「政府の効率性」「インフラ」の順位は上昇した一方、「経営効率」は前年の25位から29位に低下した。


もちろん、ランキングはそれぞれ独自に競争力を定義しており、単純に比較することはできないが、いずれも日本の国際競争力の低迷を示していることは共通している。


また、世界銀行が昨年11月に公表した「ビジネス環境の現状2016」(Doing Business 2016)によるビジネス環境ランキングでは、日本は前年の30位から34位に後退している[3]。日本は"企業の破たん手続き"(2位)の評価が高い一方、"納税"は121位となり納税手続きの煩雑さが低評価の要因となっている。


政府は2013年から2016年までの成長戦略において、2020年までにWBによるビジネス環境ランキングをOECD加盟国中3位以内に引き上げることを掲げている。2016年は先進国ベースでみても24位にとどまっており、まだまだ道のりは険しいと言わざるを得ない。


企業がビジネスを行いやすい環境を作ることは、企業活動を活発にし、日本の国際競争力を高めるにためは欠かせない。日本経済の成長を促すためにも、構造改革を徹底的に進め、より競争力を高めていく必要がある。




[1] World Economic Forum, The Global Competitiveness Report 2016-2017 参照。138カ国・地域を対象。
[2] International Institute for Management Development, IMD World Competitiveness Yearbook 2016参照。61カ国・地域を対象。
[3] World Bank, Doing Business 2016 参照。188カ国・地域を対象。

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