そのメールは送信して大丈夫?

2017年1月10日、ある官公庁の人事課内のみで共有されるはずだったメールが誤って省内全職員へ送信され、機密の人事異動案が漏洩するという事故が発生、テレビや新聞でも大きく報道された。また、その2日後には別の官公庁で個人情報を含む文書をメールに添付し、外部へ誤送信した事実も明らかとなった。メールの利用機会が増えたことで、誤送信による事故は増加している。


日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が取りまとめたプライバシーマーク付与事業者による個人情報関連の事故報告状況をみると、2015年度は796事業者から計1,947件の事故報告が発生。その原因としては、情報の「粉失」(435件)に次いで「メール誤送信」(409件)が2番目に多く、前年度(305件)比34.1%の増加となった。これは個人情報関連のみの事故件数であるため、それ以外を含めればさらに多くの誤送信事故が発生しているといえる。実際、ビジネスで日常的にメールを利用していて誤送信の経験が無い人はいないのではないだろうか。


今やメールはビジネスにおいて必要不可欠なツールとなり、業務上の単純な連絡・確認から重要な機密情報まで、多岐にわたる内容が日常的にやり取りされている。それだけに、一度誤ったメールが送信されれば、単なる個人のミスだけでは済まされず、場合によっては会社に大きな損害を与えることにもなる。会社は金銭の損失ばかりか、社会的信用も失墜し、1通の誤送信が命取りにもなりかねない。


たかがメール、されどメールだ。誤送信の内容は、「宛先アドレスのミス」「ファイル添付のミス」「文章の誤字・脱字」「作成中メールの送信」など、ヒューマンエラーが大半を占める。メール送信はその他の業務と違って他者とのダブルチェックなどがなく、送信者自身によるセルフチェックだけで送信することが多いだけにより注意を要する。日頃からLINEやTwitter、スマートフォンでのプライベートなメールなどには慣れていても、ビジネスでのメールは別物という意識が送信者には強く求められるだろう。

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