小学生の今どき携帯電話事情

小学生の我が子が、キッズ携帯デビューを果たした。我が家のケースに限定されるが、ご参考までに、今回の件を通して知った今どきのキッズ携帯事情などをお伝えしたい。


家族内の通話やメールが無料になることから、親と同じ大手の携帯電話キャリアのキッズ携帯を購入した。月々の支払いは1,300円ほどで、さらに有料にはなるがGPSを使ってキッズ携帯の位置を常時確認できるサービスも利用できる。インターネットへ接続ができないなど、機能は必要最低限しかないが、小学生の子供にはこのくらいがちょうど良いと思った。


内閣府「平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」によると、小学生のスマートフォン(スマホ)および携帯電話の所有・利用率は小学生が55.5%、中学生が66.7%となっている。2012年度では小学生が27.5%、中学生が51.6%であり、小学生で2倍となるなど利用が大きく進んでいる。


子供における携帯電話などの普及率が高まるなかで、国や学校サイドも従来の対応を変える方向で動き出した。文部科学相は2019年2月19日に行われた閣議後の記者会見で、小中学校へ携帯電話やスマホを持ち込むことを原則禁止とする2009年の文科省通知を、見直すことを明らかにした。


今回の見直しは、前日の2月18日に大阪府教育庁が府内の公立小中学校へ通う児童・生徒について、スマホや携帯電話の校内持ち込みを認めるガイドライン案を発表したことなどが影響している。早ければ、大阪府内では今春から小中学校へ携帯電話などが持ち込めるようになるという。大阪府のこうした動きの発端となったのが、最大震度6弱を記録した2018年6月の大阪府北部の地震である。地震発生で子供の安否確認に時間がかかった保護者より、携帯電話解禁の声が広がったことを受けたかたちだ。


1人の親として、こうした動きが進むことに期待したい。子供が携帯やスマホを利用することにともなう弊害が度々指摘されるが、機器やサービス自体にもちろん罪はない。校内での取り扱いルールを設け、学校と親の双方でルールが守られているかを監視していけば、問題ないのではないかと思う。大きな災害が起きた時に、どの親も一番に心配するのは、我が子の安否であるため、便利な機器を上手く利用しその恩恵を受けていくことが何より大切であろう。

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